経理アウトソーシングとは?費用相場・メリットを比較、失敗しない選び方を解説
経理業務は専門的な知識が求められる一方で、月末月初の業務集中や人手不足、法改正への対応など、現場の負担が大きくなりやすい領域です。こうした課題への対応策として注目されているのが「経理アウトソーシング」です。経理業務の一部を外部に委託することで、業務負荷の軽減や体制の安定化を図ることができます。
本記事では、経理アウトソーシングについて、依頼できる具体的な業務内容や費用相場、導入によるメリット・デメリットを整理しながら解説します。アルティウスリンクでは、経理・人事・総務など間接業務の見直しから設計、構築・運用までトータルで支援するサービスを提供しています。
目次
- 経理アウトソーシングとは?基本からわかりやすく解説
- 記帳代行との違いは「対応業務の広さ」
- 経理アウトソーシングで依頼できる具体的な業務範囲
- 日常的な経理業務(記帳、請求書発行、支払業務など)
- 月次・年次の決算業務(月次試算表作成、決算整理仕訳など)
- 給与計算や社会保険関連の手続き
- 経理アウトソーシングを導入する4つのメリット
- コア業務にリソースを集中させ生産性が向上する
- 経理担当者の採用・教育コストを削減できる
- 業務の属人化を防ぎ、不正のリスクを低減する
- 専門知識を持つプロによる正確で迅速な業務が期待できる
- 導入前に知っておきたい経理アウトソーシングの3つのデメリット
- 社内に経理ノウハウが蓄積されにくい
- 外部委託による情報漏洩のリスクがある
- リアルタイムでの経営状況の把握が難しくなる場合がある
- 【料金体系別】経理アウトソーシングの費用相場を徹底解説
- 月額固定型:毎月一定の料金で依頼できるプラン
- 従量課金型:仕訳数や業務量に応じて費用が変動するプラン
- 業務ごとの料金
- 失敗しない経理アウトソーシング先の選び方5つのポイント
- Point1.依頼したい業務範囲を明確にする
- Point2.セキュリティ対策が万全か(Pマークの有無など)を確認する
- Point3.自社の業界・業種での実績が豊富か
- Point4.担当者とのコミュニケーションは円滑に進められるか
- Point5.料金体系が明確で、見積もりが分かりやすいか
- アルティウスリンクの支援事例
- 経理アウトソーシングに関するよくある質問
- 導入までにはどれくらいの期間がかかりますか?
- 会社の規模が小さくても依頼可能ですか?
- まとめ
経理アウトソーシングとは?基本からわかりやすく解説
経理アウトソーシングとは、企業の経理部門が担っている業務のうち、記帳、請求書の作成・発行、支払処理、給与計算などの実務を、外部の専門業者に委託するサービスです。「人手が足りない業務だけを任せたい」「特定の作業負荷を軽減したい」といった目的に応じて、委託する業務範囲を選択することができます。
経理担当者は日常的な事務作業から解放され、確認や管理、社内調整といった本来注力すべき業務に時間を割きやすくなります。また、業務全体の設計や課題解決を目的とする経理BPOとは異なり、自社の体制や課題に応じて「どの業務を、どこまで任せるか」を柔軟に選択できる点が特徴です。
業務プロセスの改善まで実施したい場合は、経理BPOやバックオフィス代行の記事も参考にしてください。
記帳代行との違いは「対応業務の広さ」
記帳代行は、領収書や請求書、通帳のコピーといった資料をもとに、会計ソフトへ仕訳データを入力する業務に特化しています。一方で経理アウトソーシングは、記帳業務にくわえて、請求書の発行、支払業務、売掛金・買掛金の管理、決算業務、給与計算など、経理部門が担当するより広範囲な業務に対応する点が大きな違いです。
経理アウトソーシングで依頼できる具体的な業務範囲
経理アウトソーシングで委託できる業務内容は、日常的な定型業務から専門知識を要する会計業務まで多岐にわたります。自社の課題や目的に応じて、必要な業務を組みあわせて依頼することが可能です。一般的に、アウトソーシング会社は柔軟なサービスプランを用意しており、務内容や業務量に応じて対応します。
日常的な経理業務(記帳、請求書発行、支払業務など)
日々発生する経理事務の多くは、アウトソーシングが可能です。具体的には、会計ソフトへのデータ入力を行う記帳代行、取引先への請求書の作成と発行、買掛金の支払データの作成、経費精算の処理などが含まれます。これらの定型的な作業を外部に委託することで、社内の担当者はより重要な業務に時間を割けるようになります。
月次・年次の決算業務(月次試算表作成、決算整理仕訳など)
月次決算や年次決算といった専門性が求められる業務も委託できます。月次試算表の作成や収支報告、年次決算における決算整理仕訳、勘定科目内訳明細書の作成などが主な内容です。これらの業務を専門家に任せることで、正確な財務状況を迅速に把握し、経営判断に役立てられます。
給与計算や社会保険関連の手続き
従業員の給与計算や年末調整、社会保険・労働保険の手続きといった労務関連の業務も依頼できます。従業員の入退社に伴う手続きや住民税の年度更新など、間がかかり、制度理解が求められる作業を代行してもらえます。頻繁な法改正への対応を支援できるため、コンプライアンスを意識した運用につながります。
経理アウトソーシングを導入する4つのメリット
経理アウトソーシングを導入することは、単に業務を外部に委託するだけではありません。経理部の業務効率化はもちろん、コスト削減や組織体制の強化など、企業経営全体に多くのメリットをもたらします。ここでは、導入によって得られる代表的な4つの利点について解説します。
コア業務にリソースを集中させ生産性が向上する
記帳や請求書発行といった定型的な業務をアウトソーシングすることで、経理担当者は経理業務の中でも特に専門性が求められる資金繰りの管理や経営分析、予算策定といったコア業務にリソースを集中させられます。これにより、企業全体の生産性向上に貢献します。
経理担当者の採用・教育コストを削減できる
経理担当者を採用するには、求人広告費や人材紹介手数料などの採用コストに加え、入社後の教育コストも発生します。経理アウトソーシングを活用すれば、これらの費用を削減することが可能です。特に、専門知識を持つ人材の採用が難しい場合や、退職による欠員補充が急務な場合に有効な手段となります。
業務の属人化を防ぎ、不正のリスクを低減する
経理業務を特定の担当者のみが担っている場合、業務がブラックボックス化し、属人化するリスクがあります。アウトソーシングを導入し、標準化された業務フローを外部の組織が担うことで、属人化の解消につながります。また、お金を扱う経理部門において、社外の第三者がチェックする体制は、不正行為の抑止力としても機能します。
専門知識を持つプロによる正確で迅速な業務が期待できる
アウトソーシング業者は、経理に関する高度な専門知識と豊富な実務経験を持っています。特に大手の業者であれば、最新の会計基準や税制改正にも迅速に対応する体制が整っています。プロフェッショナルによる業務遂行は、処理の正確性とスピードを向上させ、経理業務全体の品質を高めます。
導入前に知っておきたい経理アウトソーシングの3つのデメリット
経理アウトソーシングには多くのメリットがある一方で、導入を検討する際にはデメリットも理解しておく必要があります。事前に課題を把握し、対策を講じることで、導入後のミスマッチを防げます。ここでは、注意すべき3つのデメリットについて説明します。
社内に経理ノウハウが蓄積されにくい
経理業務全般を外部に委託すると、社内で実務経験を積む機会が失われます。その結果、経理に関するノウハウやスキルが社内に蓄積されにくくなる可能性があります。将来的に経理部門の内製化を考えている場合、どこまでの業務を委託するか、慎重に範囲を決定する必要があります。
外部委託による情報漏洩のリスクがある
会社の財務状況や従業員の個人情報といった機密情報を外部の業者に預けるため、情報漏洩のリスクはゼロではありません。委託先のセキュリティ体制が不十分だった場合、企業の信用を大きく損なう事態に発展しかねません。委託先の選定に失敗しないよう、セキュリティ対策は十分に確認すべき項目です。
リアルタイムでの経営状況の把握が難しくなる場合がある
社内に経理担当者がいれば、必要なときにいつでも最新の経営数値を確認できます。しかし、外部に委託している場合、データの受け渡しや処理に時間がかかり、リアルタイムでの経営状況の把握が遅れることがあります。迅速な意思決定が求められる局面において、このタイムラグが課題となる可能性を考慮しておく必要があります。
【料金体系別】経理アウトソーシングの費用相場を徹底解説
経理アウトソーシングの費用は、依頼する業務内容や業務量によって変動します。料金体系は主に「月額固定型」と「従量課金型」の2種類に分けられます。自社の業務量や予算にあわせて最適なプランを選択するために、それぞれの特徴と費用の相場を理解しておくことが重要です。
月額固定型:毎月一定の料金で依頼できるプラン
月額固定型は、あらかじめ定められた業務範囲に対して、毎月一定の料金を支払うプランです。費用の変動がないため、年間の予算が立てやすく、コスト管理が容易になるメリットがあります。
業務内容にもよりますが、料金の相場は月額数万円から数十万円程度で、委託する業務の専門性が高くなるほど高額になる傾向があります。
従量課金型:仕訳数や業務量に応じて費用が変動するプラン
従量課金型は、仕訳の件数や給与計算の対象人数、対応した時間など、実際の業務量に応じて費用が算出されるプランです。業務量に季節的な変動がある企業や、事業規模がまだ小さい企業にとっては、無駄なコストを抑えやすいというメリットがあります。ただし、繁忙期には想定以上に費用がかさむ可能性もあるため注意が必要です。
業務ごとの料金
業務ごとに料金を設定しているサービスも多くあります。記帳代行や給与計算、年次決算など業務によって料金がことなるため、複数の業者から見積もりを取り、費用とサービス内容を比較検討することが大切です。
失敗しない経理アウトソーシング先の選び方5つのポイント
経理アウトソーシングの導入効果を最大化するためには、自社の状況や目的に合った委託先を選ぶことが不可欠です。料金だけで安易に決めると、期待したサービスが受けられなかったり、予期せぬトラブルにつながったりする可能性があります。ここでは、委託先選定で失敗しないための選び方のポイントを5つ紹介します。
Point1.依頼したい業務範囲を明確にする
はじめに、自社が経理業務においてどのような課題を抱えているのか、そしてどの業務を外部に委託したいのかを具体的に整理します。記帳や支払業務といった日常的な作業の効率化が目的なのか、それとも決算業務や資金繰り分析といった専門的なサポートを求めているのかによって、選ぶべき委託先は異なります。
業務範囲を明確にすることが、ミスマッチを防ぐ第一歩です。
Point2.セキュリティ対策が万全か(Pマークの有無など)を確認する
経理アウトソーシングでは、企業の財務情報や個人情報といった機密データを外部に預けることになります。そのため、委託先のセキュリティ体制の確認はもっとも重要なポイントのひとつです。
「プライバシーマーク(Pマーク)」や「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」といった第三者認証を取得している企業は、信頼性の高い判断基準となります。
Point3.自社の業界・業種での実績が豊富か
業界によっては、特有の会計ルールや商慣習が存在します。例えば、建設業やIT業界、医療機関などでは、専門的な知識が求められるケースが多くあります。自社と同じ業界での支援実績が豊富な委託先であれば、業界特有の事情を理解した上でスムーズに対応してくれるため、安心して業務を任せられます。
Point4.担当者とのコミュニケーションは円滑に進められるか
業務を円滑に進めるためには、委託先の担当者との密なコミュニケーションが欠かせません。問合せに対するレスポンスの速さや、説明の分かりやすさ、相談しやすい雰囲気など、連携が取りやすい業者を選ぶことが重要です。契約前の打ち合わせの段階で、担当者の対応や相性を確認しておくと良いです。
Point5.料金体系が明確で、見積もりが分かりやすいか
料金体系が分かりやすく、透明性が高いかどうかも重要な選定基準です。基本料金にどの業務が含まれていて、どこからが追加料金となるオプションなのかを事前に確認します。複数の業者から見積もりを取得し、提示された費用とサービス内容が見合っているかをしっかりと比較検討することで、納得のいく契約につながります。
アルティウスリンクの支援事例
大和ハウス工業株式会社様は、全国約50拠点に分散する経理業務を、短期間でアウトソーシングしつつ円滑に立ち上げたいという課題を抱えていました。アルティウスリンクは業務設計を二人三脚で進め、依頼から約4週間で管理者研修を開始するなど、スピーディーな移行を実現。経理未経験者でも習得できる教育プログラムと、判断に迷わないマニュアル整備により高品質な運用を支えました。
運用後も週次定例で課題を可視化し、フローやシステム改善を継続。結果として、業務負担を軽減し、社員がコア業務に集中できる体制づくりにつながっています。
経理アウトソーシングに関するよくある質問
経理アウトソーシングのサービス導入を検討するにあたり、さまざまな疑問や不安が生じることがあります。ここでは、お客様から寄せられることの多い質問と、それに対する回答をまとめました。委託先選びや導入プロセスの参考にしてください。
導入までにはどれくらいの期間がかかりますか?
委託する業務範囲や企業の規模によりますが、一般的に契約締結後1か月から3か月ほど必要です。現状の業務フローのヒアリングや課題整理、委託後の運用ルールの策定などを経て、段階的に業務を引き継ぎます。スムーズな移行のために、十分な準備期間を確保することが大切です。
会社の規模が小さくても依頼可能ですか?
はい、依頼可能です。
むしろ、専任の経理担当者を雇用する余裕がない企業ほど、アウトソーシングのメリットを大きく享受できます。会社の成長フェーズにあわせて、委託する業務範囲を柔軟に変更できるサービスも多く、事業規模を問わず有効な選択肢です。
まとめ
経理業務をアウトソーシングすることは、コスト削減や生産性向上、属人化の解消など、企業経営に多くのメリットをもたらします。導入を成功させるためには、自社が抱える課題を明確にした上で、委託したい業務範囲を定めることが重要です。
その上で、セキュリティ体制や実績、料金体系などを慎重に比較検討し、自社にとって最適なパートナーを見つける必要があります。