自社に最適な「コールセンターの委託先」を選ぶときのポイント
コールセンター業務の外部委託を検討する企業が増加傾向にあります。
専門業者へ委託することで、コスト削減や顧客対応品質の向上といったメリットが期待できる一方、自社に適した委託先の選定が重要です。
この記事では、コールセンターを委託する際のメリット・デメリット、費用の考え方、委託先の選び方のポイント、そして導入までの具体的な流れについて解説します。
目次
- コールセンター業務を委託(アウトソーシング)する企業が増加している背景
- コールセンターの運営にかかる費用
- コールセンターで委託できる業務内容
- コールセンター委託(アウトソーシング)と人材派遣の違い
- コールセンター委託のメリット
- コスト削減
- 品質向上
- オペレーター数の最適化
- コールセンター委託のデメリット
- 情報漏洩・セキュリティーリスクの増大
- サービスの均質化と企業文化の伝達の難しさ
- ノウハウやデータの社内蓄積の困難さ
- コールセンターの委託にかかる費用と料金体系
- 委託費用が変わる主な要因
- 応対範囲・内容
- 入電件数や繁閑差
- センター設置地域
- 目標とする応答率
- コールセンターの委託先を選ぶポイント
- 対応範囲と専門性は適しているか
- 品質管理と教育体制が整っているか
- セキュリティ・情報管理体制は十分か
- レポート・改善提案の質は伴っているか
- コストと料金体系が明確か
- コールセンター業務委託までの流れ
- 「お客様企業に寄り添う」アルティウスリンクのコールセンターの強み
- まとめ
- コールセンター委託についてよくある質問
- コールセンターの業務委託とは?
- コールセンターを委託する相場はいくらですか?
- 夜間のコールセンター対応も委託できますか?
コールセンター業務を委託(アウトソーシング)する企業が増加している背景
近年コールセンター業務を委託(アウトソーシング)する企業の数は増加の一途を辿っています。株式会社矢野経済研究所の調査(2025年)によると、2024年度のコールセンターサービス市場は1兆517億円、コンタクトセンターソリューション市場は4,190億円でした。
その背景には、国内経済を取り巻く厳しい外部環境(生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など)や、チャットやソーシャルメディア対応などの非コール業務が増加していることがあります。さらに、人手不足による人件費の高騰や自社オペレーターの採用難が常態化しています。
このような状況の打ち手としてコールセンターの委託(アウトソーシング)が注目を集めています。
コールセンターの運営にかかる費用
こうした背景から、コールセンター業務を自社で運営する場合と外部に委託する場合のコスト構造を比較検討する企業が増えています。まずは、自社運営にかかる主な費用について整理しましょう。
- 運営・人件費(オペレーター・管理者の給与、採用・研修費)
- システム関連費・通信費(CRM、PBXなどの導入費・利用料、通信費)
- オフィス・設備費(賃料・光熱費、什器・備品代)
- これらの費用は固定費として継続的に発生するため、事業の繁閑に関わらず大きな負担となり得ます。
- 委託を検討する際は、これらの自社運営コストを正確に算出し、委託費用と比較することが重要です。
コールセンターで委託できる業務内容
コールセンターで委託できる業務は、顧客からの電話を受けるインバウンド業務と、企業側から電話をかけるアウトバウンド業務に大別されます。
インバウンド業務には、商品やサービスに関する問合せに対応するカスタマーサポート、技術的な問題を解決するテクニカルサポート、注文を受け付ける受注業務、総合案内窓口などがあります。
一方、アウトバウンド業務では、商品やサービスを案内するテレマーケティング、顧客満足度などを調査する市場調査、料金の支払いを案内する督促業務などが委託可能です。
コールセンター委託(アウトソーシング)と人材派遣の違い
コールセンター業務を外部に依頼する方法として、委託(アウトソーシング)と人材派遣がありますが、両者は契約形態と指揮命令権の所在が異なります。
人材派遣は、派遣会社から労働者の提供を受け、自社の管理者が直接オペレーターに業務指示を出します。一方、委託は業務プロセスそのものを外部の専門企業に任せる契約です。この場合、オペレーターの採用や教育、業務管理、指揮命令はすべて委託先企業が行います。業務の管理負担を軽減し、専門的なノウハウを活用したい場合は委託が適しています。ただし、業務内容や自社の体制によっては自社運営が適している場合もあります。
コールセンター委託のメリット
では、実際にコールセンターの委託(アウトソーシング)を行うとどのようなメリットがあるのでしょうか。
コスト削減
コールセンター運営には構築費用(イニシャルコスト)や運営費用(ランニングコスト)が発生します。
構築費用(イニシャルコスト)では主に
- コンタクトセンター・コールセンター設備関連費用
(オフィス、机・イス・キャビネットなどの備品セキュリティ設備など) - 通信・業務用システム、OA関連費用
(通信機器・インフラ、業務システム、PC・電話機・ヘッドセットなどOA機器)
などが発生し、運営費用(ランニングコスト)では
- 人材関連費用
(採用・研修、人材雇用・管理、福利厚生など)
などの費用が発生します。
ほかにも運営にあたり多くのリソースが必要です。これらすべてを自社で賄おうとすると、膨大な労力と費用がかかります。しかし、専門業者に委託することで、専門業者が保有する拠点、PCやネットワークなどのファシリティを活用することができ、初期費用およびランニング費用を抑えることができます。
また継続的な運営には、適宜オペレーターの採用活動を行う必要があり、コストがかかります。専門業者に委託すれば、採用サイトや紹介制度などの独自の採用ネットワークを活用した採用活動を行ってくれる場合もあるため採用コストを抑えることもできるのです。
品質向上
コールセンター業務は、高い顧客満足を実現するために、電話応対スキルが必要です。専門業者に委託すれば長年のコールセンター運営で積み重ねてきたメソッドを活かした研修やオペレーションの実施が可能であるため、高品質な顧客対応を実現します。
オペレーター数の最適化
安定したコールセンター運営には適正な数のオペレーターが必要です。繁閑差が激しい業務の場合、繁忙期には短期間に大量のオペレーターを集めなければなりません。ところが昨今の慢性的な人手不足の影響で、オペレーターの採用が困難となっています。専門業者に委託することで、迅速なオペレーターの採用や採用後の研修ノウハウを活かして最適なオペレーターの数を確保しつつ、中長期的に安定した運営が実現できます。
コールセンター委託のデメリット
コールセンターの委託は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
情報漏洩・セキュリティーリスクの増大
コールセンター業務では、氏名や連絡先、購入履歴といった大量の顧客情報を取り扱います。これらの機密情報を外部の委託先と共有するため、情報漏洩のリスクは自社で管理する場合よりも高まる可能性があります。万が一情報が漏洩した場合、企業の社会的信用は大きく損なわれ、事業継続に深刻な影響を及ぼしかねません。そのため、委託先を選定する際には、プライバシーマークやISMS認証の取得状況、物理的・技術的なセキュリティ対策が十分に講じられているかを厳しく評価する必要があります。
サービスの均質化と企業文化の伝達の難しさ
委託先のオペレーターは、自社の従業員ではないため、企業が持つ独自の理念や価値観、サービスに対する細かなニュアンスを完全に理解し、体現することは容易ではありません。マニュアルに基づいた標準的な対応が中心となり、サービスの質が均質化する傾向があります。これが顧客に画一的で冷たい印象を与えてしまう可能性も否定できません。
企業文化を伝え、ブランドイメージに沿った対応を維持するためには、委託先との定期的なミーティングや研修など、密なコミュニケーションと理念共有などの取り組みが求められます。
ノウハウやデータの社内蓄積の困難さ
コールセンターは、顧客の意見や要望といった「顧客の声(VOC)」を直接収集できる貴重な接点です。しかし、この業務を完全に外部委託すると、顧客とのやり取りで得られる生の声や、問合せ対応を通じて蓄積されるノウハウが社内に残りにくくなります。これらの情報は、商品開発やサービス改善の重要なヒントとなるため、社内に蓄積しないことは長期的に見て大きな機会損失につながる可能性があります。定期的なレポート提出やデータ共有の明確な仕組みを委託先と構築することが不可欠です。
コールセンターの委託にかかる費用と料金体系
コールセンターの委託費用は、席数・稼働時間、業務難易度、コール量、システム要件率などによって大きく異なります。料金表などは用意されていないケースが多く、費用を算出するためには、コールセンターの運営会社に要件を提示して見積もりを取る必要があります。
委託費用が変わる主な要因
コールセンターの委託費用は、単一の要素で決まるわけではありません。対応する業務の専門性や難易度、月間の入電件数、コールセンターが設置されている地域のオフィスの賃料や人件費、そして求めるサービスレベルなど、複数の要因が複雑に影響し合って算出されます。これらの要因を事前に整理し、自社の要件を明確にすることが、正確な見積もりを取得し、委託先を適切に比較検討するための第一歩となります。
応対範囲・内容
委託費用は、オペレーターが対応する業務の範囲と内容の難易度に大きく左右されます。例えば、簡単な一次受け付けや定型的な問合せ対応に比べ、専門的な知識が求められるテクニカルサポートや、金融商品に関する相談窓口などでは、オペレーターに高度なスキルが必要となるため単価が高くなります。
また、対応時間を24時間365日に広げたり、英語や中国語などの多言語対応を求めたりする場合も、特殊なスキルを持つ人材の確保が必要になるため、費用は上昇する傾向にあります。
入電件数や繁閑差
月間の入電件数(コール数)は、料金体系に関わらず費用を決定する基本的な要素です。一般的に、1コールあたりの単価で費用を算出する従量課金制や、一定のコール数までを定額とする月額固定制が用いられます。入電件数が多ければボリュームディスカウントが適用され、1コールあたりの単価が下がることもあります。
一方で、キャンペーン期間中など特定の時期に入電が集中するような繁閑差の激しい業務では、ピーク時の人員を確保する必要があるため、全体のコストが割高になる場合があります。
センター設置地域
コールセンターがどこに設置されているかも、委託費用に影響を与える要因の一つです。オペレーターの人件費は地域によって差があり、一般的に首都圏などの都市部よりも地方の方が人件費相場は低い傾向にあります。そのため、地方にコールセンターを構える委託先は、比較的安価な料金設定となっている場合があります。
ただし、コストだけでなく、その地域で安定的に質の高い人材を確保できるかという採用力や、災害時の事業継続計画(BCP)の観点もあわせて検討することが重要です。
目標とする応答率
応答率とは、かかってきた電話に対してオペレーターが対応できた割合を示す指標であり、コールセンターのサービス品質を測る上で重要です。この目標応答率を高く設定するほど、多くのオペレーターを配置して待ち時間を短縮する必要があるため、委託費用は高くなります。例えば、応答率95%以上を目指す場合は、常に余裕を持った人員体制が求められます。
コールセンターの委託先を選ぶポイント
コールセンターの委託(アウトソーシング)事業を展開している企業は数多くあります。では、その中からどのように委託先を選べば良いのでしょうか。
最も重要なポイントは「自社の課題を深く理解し、課題解決に結びつく提案をしてくれる」企業であるかどうかです。コールセンター運営における問題や課題は企業によってさまざまです。業務内容・規模・予算・期間などが千差万別であるがゆえ、コールセンターの最適な運営方法は各社異なるからです。そのため長期にわたり高品質なコールセンター運営を行うためには、委託を検討している企業に「自社のニーズを汲み取り寄り添う姿勢があるか」「可視化された課題を解決するためのノウハウや実績があるか」を確認すると良いでしょう。
また、単にコストの低さだけで選ぶのではなく、委託予定の業務内容に関する専門性、応対品質を担保する管理体制、そして大切な顧客情報を守るセキュリティレベルなど、複数の観点から総合的に評価する必要があります。
また、業務改善につながる提案力や明瞭な料金体系も、長期的なパートナーとして信頼できるかを見極める上で欠かせないポイントです。
対応範囲と専門性は適しているか
まず、委託先が自社の求める業務に対応できるかを確認します。インバウンドかアウトバウンドか、対応チャネルは電話のみか、メールやチャットも含むのかといった基本的な対応範囲を確認しましょう。
さらに重要なのが、自社の業界や商材に対する専門性です。例えば、IT製品のテクニカルサポートであれば技術的な知見が、金融商品であれば専門資格を持つオペレーターの存在が求められます。
過去の実績や導入事例を参考に、自社のビジネスへの理解度が高く、適切な対応が期待できる委託先を選定することが不可欠です。
品質管理と教育体制が整っているか
顧客満足につながる応対品質を、どのように担保・向上させていくのかという点は、委託先選定の重要な要素です。オペレーターに対する初期研修の内容や期間、継続的に行われるスキルアップ研修の有無、応対内容を評価するモニタリングの頻度や基準などを具体的に確認します。
また、品質評価の結果をオペレーターにフィードバックし、改善につなげる仕組みが確立されているかも重要です。
明確な品質管理体制と充実した教育制度を持つ委託先であれば、安定した質の高いサービス提供が期待できます。
セキュリティ・情報管理体制は十分か
コールセンターでは大量の個人情報や機密情報を取り扱うため、委託先のセキュリティ体制は厳格にチェックする必要があります。情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISMS(ISO27001)」や、個人情報の適切な取り扱いを証明する「プライバシーマーク」の取得は、客観的な評価指標となります。
これらの認証に加えて、サーバーへのアクセス制限といった技術的対策や、オペレーションルームへの入退室管理などの物理的対策がどのように講じられているか、具体的な運営ルールまで確認することが重要です。
レポート・改善提案の質は伴っているか
優れた委託先は、単に業務を遂行するだけでなく、業務から得られた知見を基に改善提案を行うパートナーとしての役割も担います。定期的に提出されるレポートの内容が、入電件数や応答率といった数値データだけでなく、顧客の声(VOC)の分析や、問合せ内容の傾向、それに基づくFAQの改善案やサービス向上策などが含まれているかを確認しましょう。
業務効率化や顧客満足度向上に向けて能動的に働きかけてくれる姿勢のある委託先を選ぶことで、委託の効果をより大きく得られます 。
コストと料金体系が明確か
委託にかかるコストは重要な選定ポイントですが、単純な金額の比較だけでなく、その内訳や料金体系が明確であるかを確認することが大切です。見積書に記載されている初期費用や月額費用に、どのようなサービスが含まれているのかを詳細に確認します。
また、想定を超える業務量となった場合の追加料金の算出方法など、料金体系が分かりやすく、後から予期しない費用が発生するリスクがないかをチェックしましょう。複数の委託先から見積もりを取り、サービス内容とコストのバランスを総合的に判断することが求められます。
コールセンター業務委託までの流れ
コールセンター業務の委託を成功させるには、綿密な準備と計画的な進行が不可欠です。まず、社内で「なぜ委託するのか」という目的、具体的な委託範囲や目標応答率を含むSLA、そして許容可能な予算を詳細に定義します。これらの要件に基づき、RFP(提案依頼書)を用いて複数の候補から実績や品質管理体制を多角的に評価し、最適な委託先を選定します。
選定後は、業務範囲やセキュリティ体制、料金体系を明確にした契約を締結します。契約と並行し、オペレーターが使用するエスカレーションや事故対応のフロー、レポート提出など具体的な契約条件を決定します。
その後、商品知識や業務フローに関する研修、トークスクリプトやマニュアル作成、システム連携設定などの準備期間を経て運営を開始しますが、運営開始後も委託先との連携を密にし、効果検証を行うことで、スムーズな導入と期待した成果の実現を目指します。
「お客様企業に寄り添う」アルティウスリンクのコールセンターの強み
コールセンター委託を成功させるためには、自社のビジネスやビジョンを深く理解し、単なる業務代行者ではなく、事業成長を共に目指すパートナーとして伴走してくれる委託先を選ぶことが重要です。長年の運営実績を通じて多様な業界のノウハウを蓄積した高品質なオペレーションを提供する企業であれば、安定した顧客対応を実現できます。
当社は、コールセンター受託事業を展開しており、豊富なノウハウと実績を基盤に、お客様企業に合わせたオーダーメイドのコールセンター運営が可能です。新しいテクノロジーの導入やグローバル体制の強化などにより、お客様企業の問題や課題に沿ったソリューションをご提供します。
まとめ
コールセンター業務の委託は、コスト削減や顧客対応品質の向上、コア業務へのリソース集中といったメリットが期待できる有効な経営戦略です。しかしその一方で、情報漏洩のリスクや社内にノウハウが蓄積しにくいといったデメリットも存在します。
委託を成功させるためには、まず自社の目的と要件を明確に定義することが不可欠です。
その上で、対応範囲や品質管理体制、セキュリティ、コストなどを多角的な視点から評価し、自社のビジネスパートナーとして最適な委託先を選定することが求められます。
コールセンター委託についてよくある質問
コールセンターの業務委託とは?
コールセンターの業務委託とは、顧客からの電話対応やその他関連業務を専門の外部業者に一括して任せることです。自社でコールセンターを運営するよりも、コストを抑えつつ専門的なノウハウを活用できるメリットがあります。
コールセンターを委託する相場はいくらですか?
コールセンターの委託費用相場は、月額固定制、従量課金制、成果報酬制といった料金体系や、業務内容、入電件数、目標応答率などの要因によって大きく異なります。詳細な費用は見積もりで確認することが必要です。
夜間のコールセンター対応も委託できますか?
はい、可能です。コールセンターの委託サービスでは、夜間や土日祝日を含む24時間365日の対応を委託できる場合があります。これにより、営業時間外の顧客からの問合せにも対応でき、顧客満足度の向上に繋げられます。