チャットボットの効果を最大化させる導入方法とは?

コラム

2020.02.03

アルティウスリンクは、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが経営統合した会社です。

電話とWeb。どちらでも問合せが可能な場合、多くのお客様が「Web」を選択する時代となりました。
多くの企業では、顧客ニーズの多様化に応えるため、デジタルシフトを検討しています。その施策のひとつとして、注目を集めているのが「チャットボット」です。
実際にチャットボットを導入した企業からは、「人が対応する問合せ件数を50%削減し、CXの向上に成功した」 「オペレーター約7人分の稼働量を確保できた」など、成果が挙がっています。
デジタルシフトが推進される中、なぜチャットボットが有効なのでしょうか。
導入のメリットや効果的な運用方法を、具体的な事例とともにご紹介します。

チャットボットとは?

チャットボットとは、チャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた言葉から成り立つ「自動応答システム」です。
まるで人と会話をしている感覚でチャットのやり取りができ、文字によるおしゃべりを通じて、お客様の疑問や困りごとを自己解決に導きます。24時間365日利用できる手軽さも魅力です。
では実際に、チャットボットがどのように活用されているか。主な用途を見てみましょう。

カスタマーサポート

チャットボットをカスタマーサポートに設置することで、お客様は電話で問合せをする前にWeb上での自己解決が実現します。
営業時間内の電話での問合せは、平日の会社勤めや、家事・育児で日中手が空かないお客様にとって、使い勝手の悪い側面がありました。
ところがチャットボットであれば平日の夜や休日の対応が可能なため、営業時間外であっても問合せができます。
一人ひとりのライフスタイルに合わせた応対が可能となり、顧客接点の増加を実現します。
企業によってはLINEやSlack、Facebook Messengerと連携しているチャットボットもあり、日常生活の中で気軽に問合せができるのもうれしい点です。

オペレーター支援

問合せ対応中に発生した不明点も、社内でFAQを整備しておけば、チャットボットでの解決が可能です。
これまでオペレーターが不明点を解決するため参照していたマニュアルでは、最新情報のアップデートや一元管理が行き届かず、お客様への回答提示に時間がかかってしまうことが課題でした。
一方チャットボットであれば、最新情報のアップデートが容易に済みます。
また情報検索に時間がかからないため、的確かつ即座の対応が可能になりました。
チャットボットがオペレーター業務をアシストすることで、お客様は「待たされる」ストレスが減少。結果としてCX向上をもたらします。
と同時に、チャットボットはEX(Employee Experience:従業員が働くことを通じて得られる体験)の向上にも、良い影響を及ぼします。
チャットボットがオペレーターの業務負担減少に寄与することで、従業員の働きやすい環境を整備。それにより定着率が上がり、離職防止の効果を生んでいるのです。

チャットボット導入で得られるメリット

ここでチャットボットを導入する、具体的なメリットを「お客様」 「企業」それぞれの視点からご紹介します。

<お客様のメリット>

チャットボットにより24時間365日、時間と場所を問わず、自身のライフスタイルに合わせた問合せが可能となります。
従来の課題としては、「平日フルタイムで働いていると営業時間内に電話をかけづらい」 「電話だと、窓口の混雑時や営業時間外の制約があり、質問がしたいときにできない」など不便な点が挙がっていました。
ところがチャットボットなら、スマホやタブレット端末、PC画面に文字を打ち込むだけで数秒後には欲しい答えを取得できます。
普及率の高いLINEなどのアプリと連動したチャットボットも登場し、「問合せ」という行為がより身近になりました。加えてキャラクター設定がされている場合は、友達とメッセージをやり取りする感覚で気軽に利用できます。
企業に対する親しみやすさも生まれ、問合せに対する心理的ハードルを下げるツールとして活用されています。

<企業のメリット>

チャットボットが営業時間外の問合せに応じることにより、「顧客接点」の増加に成功します。アップセル・クロスセルにつながる問合せ数も必然的に増加。
それにともないチャットボットとオペレーターを、問合せ内容に合わせて適切に配置することで、「CX向上」と「売上アップ」の効果をもたらしています。例えば、簡単な問合せはチャットボットが代行することで、オペレーターの負担は減少。
余裕ができた分、オペレーターは今まで対応が追いつかなかった複雑な問合せへの応対に手が回せます。顧客接点が増えCXが向上するだけでなく、売上アップにつながる問合せも逃がさず対応できるようになったのです。
加えてチャットボットは「業務の効率化」にも有効です。電話対応では、原則ひとりのお客様に対し、ひとりのオペレーターしか対応ができません。
しかしチャットボットであれば、同時に複数人のお客様に対応することが可能です。チャットボットによる業務効率化は、人手不足解消にも役立っています。

チャットボットの種類「AI型」と「シナリオ型」

現在、世の中には様々なチャットボットがありますが、実際にチャットボットの導入を検討したい場合は、何を基準に選べばいいのでしょうか。
チャットボットの種類は「AI型」と「シナリオ型」に分かれます。

AI型

チャットボットにAIが搭載されており、機能学習に応じて自動で学習・推論・判断を行います。
より適切な答えを編み出そうと、繰り返し学習し精度を高めるのが特徴です。
簡単な問合せはチャットボットに任せ、代わりにオペレーターは、アップセルやクロスセル、複雑な問合せなど、より人の応対力が必要とされる内容に深く専念できます。
一方で、AIは放っておいても勝手に賢くはなりません。
膨大なデータベースを生成し、AIに学習させる工程は人の役割です。
データベースはAIの質を決める基盤となるもの。
充実しているか否かで、AIの学習・推論・判断クオリティーが決まります。精度の高いAIにするには、人の手によって育てていく必要があるのです。

シナリオ型

「料金の見直し」 「マイページにログインできない」 「資料をダウンロードする」など、あらかじめ、画面に問合せ内容をいくつか表示させています。
お客様が選択したいずれかの内容に沿って、フローチャートが組まれています。そして会話が進むにつれ、問題解決へと導くのがシナリオ型の特徴です。
マニュアル通り正確な回答を得意とするため、よくある質問や、比較的簡単な問合せ内容が多く寄せられる場所への導入に適しています。
またAI型よりも比較的安価で導入できるのも利点です。シンプルな設定で効果が出るのも早いため、初めてのチャットボット導入や小規模での導入に向いているでしょう。
デメリットとしては、対応できる問合せが限定されてしまうことです。一問一答の形式で回答を進めるため、お客様の知りたい内容がテキストの選択肢に表示されていない場合、応対ができません。複雑な問合せや、お客様によって回答が異なる問合せ内容の場合はオペレーターに切り替える必要があり、自己解決に導けない場合があります。

効果的なチャットボットを購入・運用するポイント

チャットボットの種類は、導入する目的や問合せ内容によって選択するのが最適でしょう。
次に、チャットボットの提供企業を比べてどのような違いがあるのか、紹介します。

コンタクトセンターのアウトソーサー

コンタクトセンターは、顧客の声の蓄積、分析データを活用した適切なコンテンツ(Q&A)制作が強みです。
チャットボットはお客様対応を自動化するツールであるため、コンタクトリーズンに合わせたコンテンツ制作が必要不可欠です。
その点コンタクトセンターは、コンタクトリーズンデータを蓄積しており、その分析ノウハウもあります。
日々の顧客対応で積み重なったナレッジが根拠となり、信ぴょう性のあるコンテンツ制作を実現しているのです。
さらに万一、チャットボットで解決できなかったとしても、電話や有人チャットなど他チャネルでフォローする体制も構築しています。
日頃から、多岐にわたるチャネルでお客様対応を行っている実績が、問題解決を完遂に導きます。

Web制作会社

チャットボットはWebサービスのひとつです。それゆえWeb制作会社が提供するチャットボットも数多く存在します。これらチャットボットは、デザイナーやエンジニアによって、UIやUXが充実したチャットボットが期待できるでしょう。

しかし、Web制作会社では顧客応対に関するノウハウは持ち合わせておらず、コンテンツ制作に必要なコールリーズン分析も専門外です。そのため、顧客視点でのコンテンツ制作という点では弱いと言えるでしょう。

システムベンダー

システムを構築する高い技術を持っているシステムベンダーも、チャットボットを提供することを得意としています。機能に工夫が施され、使いやすさも考えられたシステムができるでしょう。

しかし、Web制作会社同様、顧客対応のノウハウがなく、質の良いコンテンツはあまり期待できません。

まとめ:デジタル接客を変える!「バーチャルエージェント®」とは?

コンタクトセンター業務を請け負う当社では、「デジタル接客を変える」と題し、チャットボット「バーチャルエージェント®」を開発しました。
すでに多くのお客様企業に導入いただいています。
導入成果としては、「チャットボット入力数月間30万件。有人チャットへの問合せの50%をバーチャルエージェント®が対応」 「コールセンターへの導入半年で離職率を56%削減」など。お客様企業の課題解決とお客様のCX向上に貢献しています。
ではなぜこのような成果を出せたのでしょうか。「バーチャルエージェント®」の特徴をご紹介します。

「バーチャルエージェント®」はAI型のチャットボットです。機械学習と会話チューニングが良質なチャットボットの裏側を支えており、回答精度は継続的に向上します。
さらに専門チームによるコンタクトリーズン分析により、問合せ背景の理解が可能となりました。
またお客様に使い心地のよさを提供するため、自然な会話の流れを構築。
コンタクトセンターで培った会話ノウハウが活用されています。
常に機能のアップデートを行っている「バーチャルエージェント®」では、単体での接客ではなく、LINEや有人チャットなどと連携させることが可能です。
いつ、どのチャネルにアクセスしても、お客様の「知りたい」を解決します。

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