2020年5月28日(木)、りらいあコミュニケーションズのWebinarでの自社単独開催イベント「Relia Success+ 2020 Webinar ~コンタクトセンター運営における『新常態』への備え~」 を開催しました。当初100名枠を想定していましたが、即日満席に達したため急遽増枠を行ったこともあり、お客様企業からの当社BCP対策への関心の高さがうかがえました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、多くのコンタクトセンターにおいて緊急対応を進めることとなりましたが、今後も予期できないさまざまな緊急事態や災害に備えておく必要があります。また、コンタクトセンター運営に対するお客様や社会からのニーズも、今後さらに大きく変化していくと考えられます。
本セミナーでは、今般の緊急対応において、長年にわたるコンタクトセンター運営の実績とノウハウのある当社の取り組みやデジタルを活用した「新常態(ニューノーマル)への備え」をお伝えしました。
最適なチャネル設計で、電話中心のリスクを軽減
コンタクトセンターにおけるBCP対策といえば、従来は「拠点分散」が一般的でした。しかし、今回のようなパンデミックではそれが通用せず、人的リソースが限られた状況下では"電話中心の運用"自体がリスクになり得るため、「チャネル分散」は検討すべき課題です。これからは在宅オペレーションに加え、電話に依存しないデジタルを活用したチャネルの設計が求められてくるでしょう。
当社デジタル・マーケティング本部の清水は、これらを実現するためには、「各チャネル対応範囲の明確化」が必要だと述べました。コンタクトリーズンを可視化し、問合せ内容に応じて「自己解決が可能か」「有人での対応が必要か」の基準で業務を切り分けることで、デジタルと有人のチャネル対応範囲を明確にすることができます。当社がこのようにチャネル設計を行い、限られたリソースで最適なオペレーションを実現させたお客様企業の事例を用いて、具体的な施策をご紹介しました。
2020年5月にリリースした「BCPデジタルパッケージ」 では、問合せ内容やコンタクトセンターの状況に応じて、対応すべきチャネルへ誘導することで、入電抑制が期待できます。
【BCPデジタルパッケージ概要】
①事前の情報提供で入電抑制、②AIチャットボットで自己解決の促進、③有人チャットでノンボイス対応、というコールに依存しないチャネル分散がデザインされ、貴重な人的リソースを重要なコールに集中させることができます。顧客にとっても「コールがつながらない」「たらい回し」といったストレスから解放され、エフォートレスな顧客体験を実現できます。
2020年7月には、当社グループ会社のりらいあデジタルより、AIチャットボットと有人チャットを連携させ、統合ログを活用することで、AIチャットボット解決率を高めるサービスをリリース予定です。
※詳細はサービスをリリース次第お伝えいたします。
コロナ後は、このようなヒト×デジタルのハイブリッド運用が加速し、柔軟性の高いコンタクトセンターが求められるだろうと締めくくりました。
在宅オペレーション運用で見えてきたメリットと課題
当社では、多岐にわたる業界・規模のコンタクトセンター運営を担っています。コロナ禍では、お客様企業のご理解を得ながら、従業員の安心・安全の確保を最優先に取り組み、生活者と企業をつなぐ重要な機能を提供してきました。
取り組みの一つとして進めてきた在宅オペレーションで見えてきたメリットや課題、取り得る対策について、当社国際・ITサービス本部の戸塚より、リアルな体験を交えながらご紹介しました。とりわけ在宅オペレーションへの移行が早く進んだのは、外資系のお客様企業が多く「その徹底力とスピード感には学ぶところがあった」と振り返ります。
当社では、通信環境や業務環境の整備、オペレーターとの契約内容の見直しなどを行い、在宅オペレーション移行後も顧客満足度を下げることなく、センター出勤時と同様のパフォーマンスを維持できています。 また、オペレーターにとっても、在宅での業務は三密を避けられるだけでなく、ワークライフバランスの充実にもつながり、ESの向上や勤怠の改善が見られました。
一方で課題として見えてきたのは「オペレーターへのサポート」です。エスカレーションの迅速な対応や、寄り添ったフォローが求められる新人オペレーターのOJT、また孤立感を感じさせないようなメンタル面のケアについては、これまで以上にサポート体制の整備が必要です。それらを改善する当社の取り組みとして、コミュニケーションツールの導入や、メンタル面のケアを専門で行う「ケアマネージャー」の活用を紹介しました。
また、システム面にも触れ、在宅オペレーションがスタンダードになることを見据えて、状況に応じた運用ができるシステムモデルの構築の重要性を語りました。
センター×在宅、ヒト×デジタル...。
ハイブリッド運用が「新常態」への備えに
コロナ禍を経て、生活者と企業をつなぐコンタクトセンターの存在意義が明確になるとともに、従来のコンタクトセンター運営のみならず、チャネル分散や在宅オペレーションを組み込んだハイブリッドなコンタクトセンター運営による「新常態」への備えが必要となりました。
これらを実現するためには、コンタクトリーズンの分析をもとに業務を切り分け、デジタルチャネルを含めたオペレーション体制の再設計をすることが必要です。
今後も引き続き、"新常態"における最適なオペレーションを提供することで、お客様企業をサポートしてまいります。