コールセンターがカスタマージャーニーにかかわるメリット

コラム

2021.08.10

アルティウスリンクは、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが経営統合した会社です。

顧客は商品やサービスの認知から購入までの間に、各顧客接点で起きる思考や感情を基にさまざまな選択を行っています。この一連の流れをカスタマージャーニーとして捉え顧客を分析することで、顧客の行動を理解し継続的な関係を構築する施策が発見できます。今回は、その分析にコールセンターがかかわることのメリットについて紹介します。

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知し興味・関心を持ってから購入、利用し手放すまでの体験を「旅」に例えて可視化するマーケティングの手法です。SNS時代では、その範囲を購入前の比較検討や購入後の情報共有まで広げています。自社に当てはまる架空の顧客人物像(ペルソナ)を設定し、思考や感情を起点とした行動プロセスを図式化(カスタマージャーニーマップ)することで顧客への理解を深め、関係しているチーム内での課題共有をスムーズにします。

コールセンターがカスタマージャーニーにかかわるメリット

カスタマージャーニーマップを作成する際、多くは作成者のこれまでの経験や推測に基づいて考案されます。そのため、見落としたポイントはマップ上のペルソナや導線に反映されず、実像との乖離が生じ、新たな気づきを得ることはできません。これを防ぐためには、作成者の経験や推測だけに頼らず、実際の顧客の意見や行動に基づくマップ作りが求められます。顧客情報を収集する上で有効なのが、コールセンターに集まる顧客の声です。コールセンターにはさまざまな属性や背景をもつ顧客から問合せがあり、かつ顧客の実体験に基づく生の声であるため、恣意的な意見が含まれる可能性のあるアンケートやインタビューなどでは把握しにくい思考や感情を明確にすることができます。それらの情報を活用することで、作成者の仮説ではなく、実際の顧客がたどる導線やそこで生まれる感情を反映したマップとなり、打つべき施策が見えてきます。

高度化したカスタマージャーニーマップで顧客接点を強化

顧客の声を反映したカスタマージャーニーマップは、現状の顧客接点が持つ課題の発見につながるとともに、自社にとって最適なカスタマーサポートの実現に向けた新たな施策を示唆します。例えば、「日中は電話が繋がりにくい」「夜に問合せを行おうとしても問合せ窓口が閉まっている」などの声があった場合、時間外の対応が求められており、24時間365日問合せ対応が可能なチャットボットの導入を検討するとよいでしょう。また、自己解決が可能な簡易な問合せが多い場合は、問合せ前にFAQを閲覧するようWeb導線を強化したり、FAQの内容を充実させたりすることで、自己解決ができ、顧客努力を軽減させることが可能です。

カスタマージャーニーを理解することで、顧客視点で自社の強化すべき点を発見でき、適切な施策を行うことで、CX向上につながります。
マップ自体は顧客の行動プロセスを可視化するツールです。これにコールセンターで得られた顧客の生の声を加えることでより顧客の実像に迫り、スムーズな課題解決に役立つでしょう。顧客と継続的な関係を持ち続けるためにカスタマージャーニーマップの高度化をコールセンターと共に行ってみてはいかがでしょうか。

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