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【セミナーレポート】りらいあ×Hmcommオンラインセミナー『Relia Success⁺ 2020 「ヒト」×「AI」で創造する顧客体験 ~次世代の新たなコンタクトセンター像~』を開催しました

レポート

2020.11.30

アルティウスリンクは、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが経営統合した会社です。

2020年11月17日(火)、りらいあ×Hmcommオンラインセミナー『Relia Success⁺ 2020 「ヒト」×「AI」で創造する顧客体験 ~次世代の新たなコンタクトセンター像~』を開催しました。

ビジネス環境の変化を受け、コンタクトセンターにおけるAIの活用に注目が集まっています。その中で、AIの対応領域や導入事例、また「ヒト」と「AI」のかけ合わせによる顧客体験(Customer Experience=CX)の向上について、Hmcomm株式会社(以下Hmcomm)の榊原氏とりらいあコミュニケーションズ株式会社(以下りらいあコミュニケーションズ)の岡安が語りました。

■セミナー概要はこちら
りらいあ×Hmcommオンラインセミナー 概要

AIを活用し業務効率化を実現

最初のセッションでは、Hmcommの榊原氏がAI自動応答システム「Terry」について紹介。Terryはリアルタイムに音声認識と自然言語解析を行い、音声合成による回答を行う同社のツールです。セミナーでは、実際の導入事例としてテレビショッピングの受付窓口で利用されているツールを用いたデモンストレーションを行いました。Terryの各機能を活用することで、注文商品個数や色などの確認、顧客情報(電話番号や住所など)の照合、さらには決済方法のヒアリングやお届け日時の案内まで、一連の受注処理に対応することが可能となっています。

テレビショッピングでは、番組放送後に入電が殺到します。ヒトだけで対応する場合、その時間だけオペレーターを増員することは採用面でもコスト面でも困難であり、その結果、電話がつながらないことによる機会損失の発生や時にはクレームが発生することもあります。しかし、AIオペレーターであれば24時間365日対応可能、かつ必要な時だけ回線の増強ができるため、機会損失を低減しお客様の満足度を向上させることが可能になります。仮にお客様からの申告内容がうまく認識できないなど、相談のように高度な問合せの場合には、有人オペレーターに転送することで、高度な業務はヒトが行いつつ、同時に効率化を図れることは大きなメリットと言えるでしょう。

ほかにも、深夜や休日などの時間外にTerryを導入することで、従来対応できなかったお客様からの問合せに対応することができるようになり、顧客満足度の向上を図れます。現在では自治体における新型コロナウイルスの入電対応など、幅広い業種において導入されており、AI活用が急速に進んでいる状況を説明しました。

榊原氏は「Terryは今後も進化を遂げ、お客様との会話の中から意図を汲み取って別の商品を紹介するなど、より人間に近いAIを実現しながらも、ヒトとAIが共存していくソリューションを提供したい」と強調。これからのコンタクトセンターの運営においては、ヒトとAIがいかに共存していくかがカギになります。

CX創造のためにヒトとAIが果たすべき役割

次に、進化するコンタクトセンターのソリューションを企業の課題解決のみならず、CXを創造するために活用すべきであるという点について、りらいあコミュニケーションズの岡安が説明しました。 商品やサービスの購買プロセスには、企業とお客様との間に多くのタッチポイントがあります。このタッチポイントごとのユーザー体験(User Experience=UX)が積み重なり、その集合体がCXとなります。そのため、CXを向上させるためには、その時のお客様のニーズに合わせてそれぞれのタッチポイントにおけるUXを最適化する必要があります。

お客様が求める体験には、納得したり好意的な感情を持ったりするような感動体験もあれば、利便性が高い迅速な対応やエフォートレスな対応の場合もあります。購買プロセスにおいてお客様は感情の変化があるため、それを察知して的確にサポートしていくことが必要です。例えば、Web上での商品の情報収集についてはスピードや簡易性、利便性が求められるでしょう。一方、購入前の相談過程では、理解や納得を醸成するためにお客様への寄り添いや決定の後押しになるような感動体験が必要です。このような顧客ニーズに最適なチャネルをあてはめてみると、感動体験はヒト、エフォートレスな対応はAIが得意とする領域のため、両者を適切に配置することでCXの向上につなげることができます。

加えて、CX向上を考える際には「問合せ量」に対する課題にも対応していかなければいけないと考えています。ヒトで対応すべきタッチポイントにおいても、さらに効率化を進めることが必要です。そこで岡安は、ヒトとAIのメリットをかけ合わせた「ハイブリッド」による効率的なオペレーションを提案。商品購入を想定した音声デモンストレーションでは、相談や提案など高度な対応はヒトが行い、手続きや受注確認など簡易な対応はAIが行うという、いわば1つの対応の中でヒトとAIが行き来する場面を再現しました。ヒトとAIのメリットをかけ合わせた「ハイブリッド」による効率的なオペレーションにより、効率化と感動体験を同時に実現し、お客様にとっても企業にとっても大きなメリットが生まれます。

続いて、ヒトがAIを最大限活用するための2つの方法を提示しました。

「ヒト」「AI」「ヒト×AI(ハイブリッド)」の対応領域の設定
「ヒト」の力によるAIの解決力向上

まず、①の対応領域の設定には、事前の分析が重要です。コンタクトセンターに蓄積されるコンタクトリーズンを、お客様の求める体験と入電件数を軸としたポジショニングマップで分析します。利便性を重視する領域にはAIを配置し、お客様が理解や納得、共感といった感動体験を求める領域についてはヒトが対応することで、より効率的かつ効果的なCXを提供することが可能になります。

②AIの解決力向上には、AI導入時と運用時においてヒトの力が不可欠です。導入時の設計段階では、簡潔な問合せに対応できることや重要な項目は復唱確認できることなど、確実に実行できる機能の実装を重視します。一方、運用段階では顧客対応、会話ログの確認、チューニング、コールフローや会話シナリオの再設計などの定期的なメンテナンスが欠かせません。例えば、顧客対応でうまくいかなかった会話ログを分析することで、お客様への問いかけ方の改善につなげることができます。

りらいあコミュニケーションズではこのようなメンテナンスを、分析やシステムの専門家ではなく、業務知識と顧客対応の経験が豊富なスタッフが行っています。お客様からの問合せに対する回答は単一ではなく、お客様の状況やサービスによって異なり多岐にわたります。お客様のニーズを汲み取り適切なメンテナンスを行うためには、その業務と顧客対応を熟知している必要があります。このようなスタッフが分析からAIへの反映を行うことで精度を日々向上させることができています。

結びに岡安は「それぞれのタッチポイントに合わせて、ヒトとAI、そしてヒト×AIのハイブリッドを配置することによって最高の顧客体験を実現することが可能である」と述べました。

これからのコンタクトセンターに求められること

コンタクトセンターの在り方が大きく変わろうとしている中で、ヒトとAIをうまく融合させることがますます重要な課題となります。りらいあコミュニケーションズでは、ヒトとAIをかけ合わせ最高のCXを実現させるためのノウハウを豊富に有しています。ぜひお気軽にご相談ください。

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