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【セミナーレポート】【金融業界限定】Relia Success⁺ 2021 金融Edition ~現場担当者がリアルにお伝え。ヒトが創り上げるDXの真価~ を開催しました

レポート

2021.12.15

アルティウスリンクは、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが経営統合した会社です。

2021年11月25(金)、Relia Success⁺ 2021 金融Edition ~現場担当者がリアルにお伝え。ヒトが創り上げるDXの真価~ を開催しました。

顧客接点が多様化する中、金融業界においても、次世代コンタクトセンターを見据えてDX推進が加速しています。しかし、DXはツールを導入すれば実現するものではありません。
本セミナーでは、DX推進におけるPDCAサイクルをどのように回すべきか、コンタクトセンターでの取り組み事例をもとに、株式会社しんきん情報システムセンター 黒川様と、りらいあコミュニケーションズ株式会社の小石・藤田が語りました。

■セミナー概要はこちら
Relia Success⁺ Webinar 2021金融Edition 概要

DX推進は簡単ではない

まず当社戦略企画部の小石は、「ツールを導入したがうまくいかない」「運用が想定以上に大変」などの相談が当社に多く寄せられているように、DX推進は簡単なことではないと説明。
チャットボットの導入一つ取っても、設置場所、対応範囲、顧客情報との連携の有無、他チャネルへの誘導など検討すべきことは多々あります。FAQにおいても、ホームページ内、チャットボット用、オペレーター用と複数管理している場合、サービス変更時にそれぞれ更新する必要があります。自己解決ツールを導入し、これらの対応を行ったことで、かえって手間が増えたというお客様企業も多いことからもDX推進の難しさが伺えます。

どのようにチャネル最適化を実現したのか

推進が難しいDXをどのように行っていくべきか。しんきん情報システムセンター様の事例を同センターマネージャーの藤田が紹介しました。

しんきん情報システムセンター様では、信用金庫のインターネットバンキングシステムや投信窓販共同システムなど各種システムサービスを開発、提供することで、信用金庫の業務をサポートしています。当社は、ヘルプデスク業務を支援していたことから、しんきん情報システムセンター様より、各信用金庫のエンドユーザーの利便性向上を目的としたチャネルデザインのご相談があり、チャネル最適化に向けた取り組みを開始しました。具体的には、自己解決できる顧客接点を拡充したいというしんきん情報システムセンター様のニーズを受け、コンタクトチャネルの検討からスタートしました。

①チャネルの検討
まず、顧客のさまざまな問合せシーンに対してどのようなチャネルを活用できるかを整理。次に、コンタクトリーズン分析を行い、問合せ内容や頻度を分析しました。その結果、当初はFAQとチャットボットのみ導入予定でしたが、チャットボットでは回答しきれない問合せをカバーするためには有人チャットが必要であると判断。新たにFAQ、チャットボット、有人チャットの3つを導入することにしました。

②役割の明確化と導線設計
実装においては、各チャネルの役割を明確化するとともに、顧客導線を設計しました。
具体的には、難易度が低く、ヒトによる判断が必要のない全信用金庫共通の問合せはFAQやチャットボットで対応、難易度が高く、各信用金庫によって回答が異なる問合せに対しては、電話や有人チャットで対応するよう役割を明確化。加えて役割に適した導線となるよう、ホームページでの電話番号、有人チャットアイコンの掲載場所を工夫しました。



③品質強化
チャネル実装後も、これらの応対品質をさらに向上させるためにも、FAQの再整備を実施しました。顧客との対話で蓄積したこれまでのデータや経験に加え、当社が持つ約30個の記載ルールに基づき記載内容を修正。検索ヒット率やFAQの解決率といった指標を用いながら、PDCAを回し、ヒトの目で改善を続けることで、自己解決率の向上を目指しました。その他にも電話での問合せに対しては、顧客とオペレーター間でPC画面を共有できる「画面共有サポートツール」を導入。画面を確認しながら対応できることから、口頭では説明が難しい場面でも状況把握が容易になりました。オペレーター側から操作説明する際も、同じ画面を見ているため分かりやすく、短い時間で問題が解決できるようになりました。

しんきん情報システムセンターの黒川様は「本取り組みを振り返り、DX推進のためには、導入前のチャネル設計、システム提供、導入後の改善活動が必要ですが、これらすべてをりらいあコミュニケーションズのグループだけでワンストップで推進できたこと、またこれらを現場の方が中心的な役割で参画できたことが非常に重要なポイントだった」と述べられました。

ヒトが創り上げるDXの真価とは?

最後に小石はヒトが創り上げるDXの真価について以下のように総括しました。
今回のプロジェクトのゴールは各信用金庫のエンドユーザーのCX向上であり、チャットボット、有人チャット等、顧客接点の拡充は通過点でしかありません。デジタルは手段であり、CX向上のためにはユーザー視点での対策が重要となります。エンドユーザーの動きや問合せ背景を知ることで、企業としてなすべき対策を講じることができるでしょう。
ヒトが創り上げるDXの真価とは、常に顧客起点でエフォートレスな問題解決ができる仕組みを構築していくことだと考えています。DXの真価を発揮させるためには、エンドユーザーにどのようなCXを提供したいのか目的を明確にし、改善のPDCAを回していく必要があります。そして、そのためには、日ごろからエンドユーザーの問合せに対応をしている現場の力が不可欠です。

当社では、コンタクトセンター運営経験を生かし、お客様企業と共にPDCAを回していくことが可能です。ぜひ、お気軽に当社にご相談ください。

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