その業務運営は適切か。効率化に向けた業務の診断手法とは

コラム

2022.02.14

アルティウスリンクは、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが経営統合した会社です。

業務効率化、生産性向上――毎日のようにネットや雑誌などでも目にするキーワードです。しかし、「どこから手をつけて良いか分からない」「具体的な施策立案に決め手がない」と感じたことはないでしょうか?今回は、会社から「業務効率の向上を」と課題を与えられたものの、手に余っている方々にぜひ読んでいただきたい内容です。

滞りない業務運営が最適な状態とは限らない

業務効率化の推進には、着手前に業務サイクルやフロー、作業分担などを正しく把握することが重要です。一見、滞りない運営に見えても、そのフローや手順が最適なものであるとは限りません。例えば、一部のスタッフへの業務集中や業務の属人化、チェック機能の漏れなどさまざまな問題が潜んでいる可能性があります。業務運営が適正かどうかを確認するためには、まず業務を作業レベルに分解し、各作業の重要度や難易度を把握する必要があります。これにより業務全体が可視化され課題が明確になります。このプロセスを経て初めて効率化への打ち手を検討できます。

定量と定性を組み合わせた調査で業務を可視化

業務を可視化するための第一歩は、「業務構造の理解」です。業務間の関係性を整理し、構造化することで、全体を俯瞰して把握することができます。具体的には、階層別に分類した業務構造図を作成すると良いでしょう。

業務全体を把握したら、「プロセスごとの量や質の把握」に移ります。把握には、定量と定性を組み合わせた調査が有効です。定量調査は、調査票を作成して業務担当者から頻度や作業時間などの数値を収集し定性調査では、インタビューやアンケートで現状の困りごと、業務発生の背景、などの情報をヒアリングすると良いでしょう。この調査は、なるべく業務にかかわりの少ない人が実施すべきです。その理由は、担当者が調査を行うと、内容を熟知しているがゆえに、思い込みや先入観を持ったまま調査を行う可能性があるからです。そのようなことを避けるためにも、知識やかかわりが少ない人を任命し、客観的に調査を遂行することが望まれます。

上記の情報を取りまとめた調査結果から「分析」を行います。例えば業務に対する適正な人員配置を検討するには、業務を調査結果の情報を基に「誰でもできる業務」「経験や知識・資格要件が必要な業務」などの難易度別に分類した上で、これに見合った従業員が担っているか確認します。それにより難易度の低い業務を能力が高い従業員が行っている、といったリソースの無駄がないかを判断できます。さらに、このような分析結果を業務構造図と照らし合わせることで、どの階層のどの業務に問題があり、どこにテコ入れを行えば問題解決するかが明らかになります。

可視化したデータは施策の検討にも有効

可視化したデータは課題解決に向けた施策の検討にも有効です。課題のある業務の工数や実施頻度を数値化していれば、自動化ツールの導入やアウトソーサーの活用といった効率化に向けたさまざまな打ち手から最も効果の高い施策を選定する材料になります。

定量的な業務可視化をしなければ、実りある業務改善ができるのかどうかの判断や、改善後の成果がそもそも出たのかどうかを把握することもできません。担当者だけが満足し、ほかの社員は業務が改善されたと感じていないプロジェクトが多いのもこれが原因です。また、費用がかかる施策の導入を検討しているときには、社内における予算取りも必要となりますが、改善前後のデータを示すことで、決裁者の納得感が高まります。業務改善は、改善策の検討に時間を費やすことが多いですが、まず行動を開始することが大切です。その一歩として、定量と定性、両方の調査が重要となります。

今回、紹介した業務を可視化する手法を、当社では「業務プロセス可視化サービス」としてサービス提供しています。BPOサービスの運営を長年行ってきたからこそ業務に潜む問題点が分かる当社が、第三者の視点で客観的に調査いたします。あわせて、調査後の分析結果を基にした最適な業務運営の提案をしております。業務の効率化にお悩みがあれば、ぜひ当社へご相談ください。

業務プロセス可視化サービス

サービス

BPO※1のプロフェッショナルとして培った業務設計力やオペレーション力のノウハウを生かし、対象業務の可視化、課題抽出を行い、課題の解決策をご提示するサービスです。
*1)Business Process Outsourcing

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