聞きたい言葉を引き出す「セールスシナリオ」

※ りらいあコミュニケーションズは、KDDIエボルバと経営統合を行い、9月1日より、新会社「アルティウスリンク株式会社」になりました。

営業活動における円滑な情報収集には、顧客の回答を予測し、会話の流れを想定したシナリオが有効です。今回は、顧客から言葉を引き出す「セールスシナリオ」について紹介します。

セールス業務におけるシナリオの役割

セールスシナリオとは、セールス業務における顧客との会話を可視化した設計図です。トークスクリプトのように文章を読み上げることを主な目的とせず、顧客との会話で何を伝えるかをすぐに理解できることを目指します。セールス業務のアプローチでは、キーマンへすぐにたどり着くケースはまれであり、受付や関連部署の担当者とのコミュニケーションが多くなります。また、キーマンを特定するために対話者から情報を得る必要もあります。シナリオを作成することで対話者別のポイントを明確にし、漏れのない情報収集や効率的なキーマン接触を実現します。さらに、成果が見込めず、アプローチの改善を図る場合、シナリオがあればすぐに問題点を可視化でき、分析と改善の効率性も高まります。

「導入と本題」2つのシナリオ戦略

短時間で効果的なアプローチを実現するためには、「会話の糸口を見つける導入」と「課題を発見・共有する本題」の2つのシナリオが鍵となります。ここではキーマン接触後を例に2つのシナリオ戦略について紹介します。

導入

導入部は、顧客が話を聞いてみようと思える工夫が必要です。自社やサービスについての説明は必須ですが、その他にも顧客の課題感を想定したフレーズを用いて共感を得ることが重要です。具体的には、業界全体の課題や他社事例などの話題と事前調査で得た企業情報を組み合わせ、興味を引く内容を複数パターン用意します。実際のアプローチを経て良い反応が得られたフレーズや質問を次のシナリオに反映し、アプローチとシナリオのアップデートを繰り返します。

本題

メインとなる本題は、自社の商品やサービスなど、訴求したい「メッセージ」(下図③)から調査した情報を基に訴求につながる「きっかけ」(下図②)を洗い出し、さらにきっかけを引き出す「質問」(下図①)を考えシナリオを設計します。例えば、「商品の機能や操作性が向上したこと」をメッセージとする場合、「どのような機能が必要か」などきっかけとなる話題が必要です。さらにこのきっかけを得るためには、現在使用している商品を「どのように使用しているか」という質問が必要となります。このような会話のパターンを複数準備し、顧客の反応に合わせて会話を組み立てられるようにします。

理想のコミュニケーション像がシナリオ作成に重要

上述のようなシナリオの作成には、顧客の反応を想定した「理想のコミュニケーション像」が必要であり、顧客が好意的な反応を示す場合の想定は容易です。一方、会話を通じて商品やサービスに否定的な反応を示す顧客に対してどのように会話を組み立てるかが重要となります。

否定的な反応には、阻害要因となる「不」の要素があるため、その要素を事前に洗い出し、顧客が示す反応とそれに対する解決策を準備すると良いでしょう。この洗い出しに阻害要因を4つの「不」に分類する手段が有効です。

  • 不信......会社、商品やサービスが信用できない
  • 不要......商品やサービスが必要ではない
  • 不適......商品やサービスが合致していない
  • 不急......検討・購入する時期ではない

阻害要因を4つの「不」に分類することで網羅性を高められ、顧客のニーズを見いだしやすくなります。例えば、すでに他社商品を導入している場合には、自社の商品が使用の要件を満たさない「不適」の可能性があり、業務における使用方法や業務工程のより詳細なヒアリングが必要です。この回答を得られることで、新たなニーズを発見することができ、問題解決へ向けた提案ができます。いかなる否定的な反応に対しても切り返す言葉を用意することで、理想に近いコミュニケーションが実現できます。

このように、顧客の反応を想定し、理想の会話を設計することで、実際のアプローチにおいても顧客の声を引き出せるシナリオが作成できます。当社はコンタクトセンターで培ったノウハウをインサイドセールスに展開し、顧客との円滑なコミュニケーションを実現するシナリオ設計に活用しています。貴社の顧客から真のニーズを引き出し、売り上げ向上に貢献する当社のインサイドセールスをご活用ください。