インサイドセールスを立ち上げる7つの手順
- インサイドセールスの目的・業務範囲の設定
- 業務プロセスの設計
- 対象顧客・運用ルールの設定
- KPIの設定
- チーム編成
- ツール選定
- トークスクリプト作成
社内にインサイドセールスを立ち上げる場合は、いくつかのステップを踏んで初期構築を進めることが大切です。
インサイドセールスの目的・業務範囲の設定
まずは「インサイドセールスの目的と、その業務範囲」と明確にしましょう。そのうえで重要なのは、「自社課題の分析」と「業務範囲の設定」です。
例えば、「自社サービスを導入してもらう営業活動において、商談数が足りない」といった課題があるとします。そこでインサイドセールスの目的を「新規顧客へのアプローチとアポイント獲得」と明確化すると、自然と業務範囲も「顧客へのアタックと、フィールドセールス(訪問営業)へのトスアップ」と明確化されます。
また、「商談数は十分だが、成約率が低い」という課題がある場合は、インサイドセールスの目的を「顧客ニーズのヒアリング」とした方がいいケースもあります。こうなると、「顧客の温度感を高めてから、フィールドセールスへトスアップする」と、トスアップの条件がさらに明確化されます。
上記例のように、「どんな課題があるのか」「課題解決のためインサイドセールスに何をさせるのか」によって、インサイドセールスの目的とその業務範囲が変わります。ここをしっかりと設定しておかないと、インサイドセールスが「ただのアウトバウンドコール部隊」になってしまう可能性もあります。
業務プロセスの設計
インサイドセールスの目的・業務範囲が明確になったら、「インサイドセールスを自社の営業プロセスの中でどのように組み込むか」といった全体設計が必要になります。
特に、顧客リストの作成や顧客育成(ナーチャリング)を担うマーケティング部門との業務の範囲の設定や、商談を担うフィールドセールスへのトスアップ条件などのすり合わせは不可欠です。
対象顧客・運用ルールの設定
次にアプローチ対象となる顧客を決めましょう。「自社サイトから資料ダウンロードした見込み顧客」や、「展示会・セミナー参加者」など、具体的に対象顧客を設定します。
また対象顧客の状態に応じてどのようなアクションを取るべきか、運用ルールも設定します。MA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールスフォースオートメーション)などのツールを使用して顧客状況を把握し、顧客状況に応じてインサイドセールスがヒアリングすべき情報を共有しておけば、顧客を次のフェーズに進める為にはどのようなアクションを起こせばよいか、明確になります。
KPIの設定
インサイドセールスの目的が明確になったら、インサイドセールスのKPIを設定します。代表的なKPIは以下5つですが、インサイドセールスの目的が「新規顧客へのアプローチ」なのか「既存顧客のアップセル」なのかによって、設定すべきKPIは変わってきます。
インサイドセールスの代表的なKPI
- 架電数・架電率
- 接続数
- 商談数・商談化率
- 受注数・受注率
- 受注額
インサイドセールスのKPIについては、以下コラム記事「成功するインサイドセールスとは?」内でも詳しく解説しておりますので、よろしければこちらもご参照ください。
チーム編成
インサイドセールスに限った話ではありませんが、新しい組織の立ち上げ時は、少人数でスタートすることがおすすめです。立ち上げ時は運用フローや目的の達成率において、どうしても想定外のことが起こりやすいからです。
まずはチームを管理するマネージャーと、実際のインサイドセールス担当者を最低限確保しましょう。新しい人材を採用する方法はもちろん、既存の営業チームから人材を登用するのもよくある方法です。
いずれにせよ、数値管理やデータ分析、調整能力などに長けた人材はマネジメントが、自社商材や顧客業界の理解力、非対面コミュニケーション能力、問題解決能力に長けた人材は担当者がそれぞれ適任でしょう。
社内リソースが不足していたり、新たな人材の採用に時間がかかったりする場合は、インサイドセールスをアウトソーシングする方法も効果的です。特に立ち上げ時は、インサイドセールスの構築・人材確保のスピードが速いアウトソースを活用する企業も多くみられます。
ツール選定
インサイドセールスでは、顧客データの管理がとても重要です。見込み顧客とコミュニケーションを取る中でヒアリングした情報を蓄積し、データとして管理・分析することで、その後のアプローチ方法や戦略を計画でき、他部門との連携もスムーズに図れるからです。
インサイドセールス活動においてよく使われているツールは以下のものです。
ツール | 機能 |
---|---|
MA | 顧客開拓に向けたマーケティング活動を可視化・自動化・管理するツール。見込み顧客の管理やスコアリング、属性別のコンテンツ自動配信などが行える |
SFA | 営業進捗管理ツール。案件の進捗状況を可視化することができる。 |
CRM | 顧客コミュニケーションツール。顧客情報を収集・管理し、顧客とのコミュニケーションを強化するために利用する。 |
CTI | データベースと電話を連携し、PCから電話をかけることができるツール。 |
ABM | ターゲット顧客(企業)に応じた最適なアプローチをするためのツール。 |
WEB会議ツール | オンラインでの自社商品説明・商談を行うためのツール。 |
名刺管理ツール | 名刺をデータベース化しリードを確保する。 |
上記に挙げたツール以外にも、自社に最適なツールはないか、しっかり検討しましょう。
トークスクリプト作成
インサイドセールスにおいては「トークスクリプト」(営業台本)も重要です。インサイドセールスでは単なるアポイント獲得だけでなく、見込み顧客との長期的な信頼関係を構築することを重視しているためです。
そのためインサイドセールスのトークスクリプトでは、単にアポイントを獲得することだけでなく、顧客の潜在的なニーズを引き出し、顧客の情報収集を図れる内容にすることが大切です。
インサイドセールス立ち上げの成功事例
パナソニックEWネットワークス 様
導入事例
導入から約6か月で累積100件を超える商談の獲得に成功したインサイドセールス
新規商品の受注に向けたリードナーチャリングと商談獲得のため、小規模なインサイドセールスの構築を検討されていたパナソニックEWネットワークス株式会社様において、アルティウスリンクでは「ターゲット企業の事前調査とリスト精査」や「具体的な課題の聴取と訴求効果の高いトークスクリプトの整理」などの施策を実施。結果、業務開始から約6か月で累積商談獲得数が100件超に達し、1営業日あたり1.5件の商談獲得KPIを常に達成することとなりました。
KDDI様
導入事例
お客様企業 「運用開始9か月で獲得数約8倍に」
インサイドセールス・アウトバウンドの活用を検討されていたお客様企業において、これまで店頭メインであった販路を拡大すべく、アルティウスリンクではサービス・商品に関するご案内やアップセル/クロスセル、リマインド連絡などの業務設計・構築~運用を実施。トライアル期間からKPI目標を大きく上回り、運用開始9か月で獲得数約8倍を達成しました。
インサイドセールス立ち上げでよくある失敗
- 自社課題の分析がきちんとできていない
- インサイドセールスの目的が明確になっていない
- 対象顧客に沿った戦略が立てられていない
- 社内リソースの不足
インサイドセールスの立ち上げでよくある失敗原因としては、「自社課題の分析不足」「インサイドセールスの目的が明確でない」「対象顧客に応じたアプローチができていない」「社内リソースの不足」などが挙げられます。
これらに共通しているのは、インサイドセールスの目的設定や業務プロセス設計、運用ルールの策定、人材確保などの事前準備が十分ではなかったという点です。
インサイドセールスの立ち上げには、事前準備が非常に重要です。しかし、こちらも社内リソースなどがネックとなり、事前準備をしっかり行えない企業も少なくありません。
こういったケースの場合は、やはりインサイドセールスの実績が豊富なアウトソーサーに、インサイドセールスの立ち上げを依頼するのも、一つの方法です。
アルティウスリンクのインサイドセールス支援パッケージ
アルティウスリンクでは、新規開拓からリードのスコアリング・リード醸成・ナーチャリング(顧客育成)までを柔軟にサポートする「インサイドセールス支援パッケージ」をご用意しております。
受注確度の高いお客様を選定しリスト化することで、受注確度を飛躍的に向上。さらに人材においても、インサイドセールスに特化した専門人材が、お客様企業の環境に最適化したツールを活用し、KPI達成に向けた業務改善、売上向上を支援いたします。
インサイドセールスの立ち上げ・導入を検討されている場合は、ぜひ一度アルティウスリンクまでご相談ください。
インサイドセールス セールス支援パッケージ
サービス紹介
多くの非対面営業の実績を持ち、インサイドセールス専用の拠点を構える。お客様企業の営業戦略をサポート。厳しいビジネス環境下でも、BtoB営業を成功に導きます。