「問合せて良かった」に変えるクレーム対応術

コラム

2023.07.11

アルティウスリンクは、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが経営統合した会社です。

苦情やクレームは適切な対応方法が分からないオペレーターにとっては精神的負担が大きく、生産性の低下や離職のきっかけになる可能性があります。これを軽減するには、オペレーターが対処法を理解し、お客様の声を受け止めることが重要です。今回は、お客様のネガティブな声を受け止め、関係性を良好にするオペレーターの育成方法について紹介します。

苦情・クレームはリアルな「お客様の声」

苦情やクレームは「怒り」を伴うものが多く、オペレーターがそれを自分に向けられた感情と捉えると精神的な負担となります。お客様の声は企業に届けられていることをオペレーターに意識させることで、企業の顔として真摯に受け止めるマインドを醸成します。また、お客様の声は企業にとって商品やサービスの改善や企業価値を高めるヒントがあり、それを収集できるのは直接お客様の声を聴くオペレーターであることを伝え、その重要性の理解を促すことも必要です。

初期対応に必要な問題の切り分けと寄り添い

苦情やクレームには、それを生み出す要因の「現実的問題」と、そこから生まれるお客様の「感情的問題」の2つの問題が内包されており、対応の初期段階では、この2つの問題を切り分けて捉える力が必要です。
例えば、翌週の記念日に備え、購入したペアグラスの1つが欠けていたという問合せでは、商品の破損という「現実的問題」と楽しみにしていた記念日に水を差されたという「感情的問題」が想定できます。速やかな対応としては、現実的な問題の解決を優先しがちですが、感情的な問題を理解し、その気持ちを和らげながら会話を進めることでお客様との関係性が良好になり、現実的な問題をスムーズに解決へ導くことができます。

会話例

問題の切り分けと寄り添いの会話例

感情的な問題を理解し、その気持ちを和らげるためには、お客様への寄り添いが必要です。商品が破損した原因は、傾聴する段階のオペレーターには分からなくても、箱を開けたときのお客様の心情は想像することができます。お客様の不安や怒りの原因を最大限想像し、けがの心配をすることでお客様への配慮を示すことができ、それにより「ガッカリはしたが、けがはしていない」というようにお客様の心情を和らげることにつながります。また、実際にけがをしていた場合にも、お客様の被害を過小評価せず、怒りの増幅を回避できます。お客様の心情が和らいだ後に、実際の問題である破損の対応を進めることでお客様への寄り添いを示すことができます。

オペレーターのメンタルケアが大切

苦情やクレームの対応後は、対応を終えたオペレーターのメンタルケアが大切です。商品やサービスの改善につながる大切なお客様の声だと理解していても、お客様の負の感情を受け止めることはストレスに感じる可能性があります。その状態で顧客対応を続けると、次の対応に影響を与えかねないため、早々にケアが必要です。センター運営管理者による声掛けも有効ですが、オペレーター自身がメンタルケアの必要性を理解することも重要です。具体的な方法はさまざまありますが、深呼吸やストレッチ、意識的に笑顔を作るなど、オペレーターが自身に合ったセルフケア方法を習得することで、負担を軽減でき、モチベーションを高く維持できます。

当社は、通常業務では習得できない顧客対応スキルを、研修を通じて全社に展開し、プロフェッショナルなオペレーターの育成に取り組んでいます。お客様の声に耳を傾け、円滑なコミュニケーションを通じて快適な顧客体験を創造するオペレーションにご期待ください。