RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールとは、業務を自動化するソフトウェアロボットシステム
RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略称で、そのソフトウェアシステムを活用したツールのことを、RPAツールと呼びます。
RPAツールの最大の特徴は、PC上での単純作業を自動処理してくれることです。RPAツールを活用すれば、データ入力や勤怠管理、伝票の起票、レポート作成など、それまで人間の手で作業していたルーティンワークを、自動かつスピーディーに処理することができます。
日本では「労働生産性」の低さが、大きな課題となっています。しかしRPAツールをうまく活用すれば、単純作業の工数を減らし、より創造的な業務に人員リソースを回すことができるため、生産性の向上が期待できるのです。
RPAツールで何ができる?メリット解説
- 単純なルーティンワークの自動化
- 大量業務の効率化
- 人的ミスの防止
- コスト削減
- 業務効率改善 / 生産性向上
RPAツールにできること、そして導入メリットとしては、「ルーティンワークの自動化」や「大量業務の効率化」「人的ミスの防止」「コスト削減」などが挙げられます。
単純なルーティンワークの自動化
RPAツール導入の最大のメリットと言えば、ルール通りに繰り返し処理する単純・反復作業の自動化です。RPAツールでは、人が行う処理手順を設定することで、対象業務を自動化処理することができます。
当社案件においても、RPAツールの導入で社内21業務を自動化。その結果、9,000時間もの業務工数を削減することに成功しました。
自動化で9,000時間削減を実現したRPA社内推進のリアル
導入事例
RPAツール導入で社内の21業務を自動化。9,000時間もの業務工数を削減。
大量業務の効率化
大量業務の効率化も、RPAツールの強みの一つです。月末月初に発生する請求書処理や各種申請業務などは、会社規模によっては、その業務量が社内リソースを圧迫するものになりかねません。
しかしRPAツールを活用すれば、これらの大量の業務も一気に効率化を実現できます。アルティウスリンクのお客様企業においても、RPAツールを導入したことで、毎月大量に発生する申込登録業務の処理時間を64.5%まで削減することに成功しました。
アイピー・パワーシステムズ様「 AI-OCR×RPA(※)を活用し大量の帳票処理業務を効率化
導入事例
毎月大量に発生する通電申込書の登録業務において、入力ミスや繁閑差による業務量変動の課題解消を目指し、自動化ソリューションを導入。
人的ミスの防止
RPAツールで「ルーティンワークの自動化」「大量業務の効率化」が実現することにより、人的ミスの削減・防止効果も得られます。
人間が繰り返しの単純作業を行う場合、どうしてもヒューマンエラーが発生してしまいます。その作業が大量・長時間ともなれば、人的ミスが起こる可能性はさらに高まります。
だからこそRPAツールで業務を自動化できれば、人的ミスの防止を実現できるのです。
アルティウスリンクのお客様企業においても、RPAツールの導入で業務効率化を果たした結果、担当者様の業務負担改善と、ヒューマンエラー防止を実現した導入事例がございます。
愛知県様「的確に課題にアプローチすることで定型業務の工数は毎月約8人×3営業日削減」
導入事例
申請審査、データ入力、調書作成、お問合せ業務などにおいて、RPAソリューションにより内部管理事務の効率化・迅速化・ヒューマンエラー撲滅を実現。
コスト削減
RPAツールの導入は、単に「業務効率改善」「ヒューマンエラー防止」といった効果だけでなく、「コスト削減」効果も期待できます。
特に大量の単純作業が発生する業務や、繁閑差で作業量に差が大きい業務においては、その業務量に応じて人員リソースを割く必要があります。そうなれば当然、残業代も含めた人件費と業務時間がコストとしてかかってきます。
しかしRPAツールで業務の自動化を行えば、業務時間と人件費・残業代の削減を図ることが可能です。
当社案件においても、RPAツールの活用で年間2,600万円相当のコスト削減を果たした事例がございます。
RPAの全社導入により、業務工数を大幅削減!
導入事例
RPAソリューションにより年間約2,600万円相当のコスト削減を実現。
業務効率改善 / 生産性向上
RPAツールで業務に自動化を果たすことで得られる最大のメリットは、「業務効率化による生産性向上」です。
これまで導入事例としてご紹介してきたお客様企業においても、個別業務の自動化/効率化、ヒューマンエラー防止、コスト削減という効果すべてが、「会社としての生産性向上」に寄与いたしました。
RPAによる業務効率の改善やコスト削減、生産性向上を検討されている場合は、ぜひ一度、アルティウスリンクのサービス資料をご参照ください。
アルティウスリンクではRPAサービスをはじめ、お客様企業の業務課題に応じた最適なソリューションをご用意しております。導入にあたっては、まずお客様企業の業務課題を綿密に分析したうえで、ご納得いただけるソリューションをご提案させていただきます。
RPAツールとAIの違いは?
RPAに似たテクノロジーとして、AI(人工知能)があります。
ともに「自動で作業する」という点では同じですが、厳密にはRPAツールとAIは異なります。
RPAツールは、繰り返しの「定型作業」を自動化することができます。しかし、 RPAツールには独自に判断する機能はなく、あくまでも人間が設定した作業ルールに基づき自動処理を行います。
対してAIは、機械学習やディープラーニングのデータを基に、AI自身が判断して作業を行います。そのためAIソリューションでは、人間の判断を必要としていた「非定型業務」においても、自動化が可能となります。
ただ、AIによる自動化は、人間が意図しない作業結果を招くことが少なくないため、現時点では必ずしも万能なソリューションとは言えないのが実情です。
RPAとIPAの違い
IPAとは「インテリジェント・プロセス・オートメーション」の略称で、簡単に言えばRPAとAIを組み合わせたソリューションのことです。
RPAの自動化処理に、自然言語解析・画像解析・音声解析などの機械学習や、ディープラーニングを組み合わせることで、従来のRPAではできなかった「高度な自動化処理」が可能となります。
注意が必要なのは、単にRPAに機械学習機能を組み合わせるだけでは、「IPA」とは呼べないという点です。自動化処理において、業務プロセスの分析や改善、そして意思決定までを人間の手を介さず行えるものを、「IPA」と呼びます。
RPAツールとマクロ(VBA)の違いは?
PC作業の自動化処理としては、RPA以外にマクロ(VBA)があります。
ただマクロ(VBA)での自動化処理は、一部例外はありますが、基本的にExcelやAccessなど Microsoft Officeアプリ上での作業に限定されます。
対してRPAツールでは、Microsoft Officeアプリはもちろん、その他のアプリや業務システムでも、その作業を自動化することができます。
また、「マクロの記録」ではなく「VBA」で自動化処理を行うには、まずVBAによるプログラミングスキルを持った人材が不可欠です。一方RPAツールの場合、ツールごとの操作方法は異なりますが、プログラミングスキルがなくとも使えるものが少なくありません。
RPAツールの種類と比較
- デスクトップタイプ
- サーバータイプ
- クラウドタイプ
RPAツールの種類は、大きく「デスクトップ型」「サーバー型」「クラウド型」の3タイプに分かれます。
デスクトップタイプのRPAツール
「デスクトップ型」のRPAツールは、それぞれのPC端末にRPAツールをインストールするRPAツールです。
個々人のローカル環境で動作するため社内のイントラネットに接続する必要がなく、またほかのタイプと比べ導入コストが安いという特徴があります。
反面、利用者の使用方法がパーソナライズされてしまい、「管理者不在の野良ロボット」と化してしまうデメリットもあります。
サーバータイプのRPAツール
デスクトップ型とは異なり、自社サーバーを管理端末にして、複数のPCがイントラネット上で利用するものが、「サーバー型」のRPAツールです。
複数の部門間を横断したシステムや、企業全体で大量のデータをまとめて処理する場合にはサーバー型のRPAツールが最適となります。サーバー上で管理しているためセキュリティ性が高く、さらに独自の環境構築や開発を行うカスタマイズ性にも優れています。
ただ高機能な分、ほかのRPAツールと比べ導入コストと運用コストが高くなっています。
クラウドタイプのRPAツール
「クラウド型」はインターネットを介し、業務タスクをブラウザ上で自動化するRPAツールです。
インターネット環境さえあれば手軽に利用が可能なので、RPA導入のボトルネックとなりがちなイニシャルコストを抑えることできます。また、保守・運用を行う必要もなく、ランニングコストも抑えられます。
一方で、外部アクセスができない内部システムやファイル、アプリなどを使った業務の自動化は、クラウドタイプのRPAツールは使用できません。
RPAツール 無料版・有料版の違い
RPAツールの中には無料で利用できるものもいくつかあります。
ただ、その多くは利用期間や機能に制限のある「トライアル版」となります。さらに、業種に応じた細かな設定、カスタマイズができないことも少なくなくありません。
RPAの導入を検討する場合、導入前に業務のどこを自動化し、それによってどんな目的を達成したいのかを明確化しなければなりません。場合によっては、専門知識を持ったコンサルタントのアドバイスも取り入れ、「本当にRPAの導入が必要なのか」といった判断も必要になります。
「無料だから」と安易にRPAツールを導入するのは、業務効率化の失敗原因になりかねないため、注意が必要です。
RPAツールのデメリット
RPAは、業務効率化において非常に効果的なツールですが、もちろんデメリットもあります。
最大のデメリットは、「人間の判断が必要となる業務には活用できない」という点です。そこで「RPAツール導入がおすすめの業務」と、「RPAツール導入がおすすめできない業務」について、以下に解説します。
RPAツール導入がおすすめの業務
- 作業がルール化・マニュアル化された定型業務
- データ化された情報処理・管理
- 処理件数の多い単純・反復作業の業務
- 繁閑差があり人員コストがかかる業務
RPAツールがもっとも力を発揮するのは、「単純」「反復」「大量」の定型業務です。
そのため決まったルールのもと、間違いのないように繰り返し処理を大量に行う定型作業には、RPAツールの導入がおすすめです。また業務量に繁閑差があり、閑散期には人員リソースが大量に余ってしまうような業務にも、RPAツールはおすすめです。
RPAツール導入がおすすめできない業務
- 作業がルール化・マニュアル化されていない非定型業務
- 作業工程が複雑で都度人間の判断が必要な業務
- 発生頻度が不定期な業務
- 人員リソースを多く必要としない業務
RPAツールの導入が向いていない業務は、業務プロセス内に「人間の判断が必要となる作業」が発生する、非定型な業務です。
RPAツールは、事前にルール設定した作業プロセスの通りに、自動化処理を行うものです。そのため、都度判断が必要となる非定型な業務では、RPAツールを有効活用することが難しくなります。
RPAツールの導入前には、都度対応が必要な複雑な工程が本当にないのか、きちんと対象業務の内容・プロセスを可視化しておくことが大切です。
RPAツールで失敗しないための導入手順
- RPAツール対象業務の可視化・最適化
- RPAツールによる業務効率化シナリオ作成
- RPAツール選定
- RPAツール導入トライアル
- RPAツールの導入・構築
- RPAツール導入後の技術サポート
- RPAで対応できない非定型業務のアウトソーシング
RPAツールの導入で失敗しないためには、「しっかりとした事前準備」と「環境構築」、そして「導入後の技術サポート」が欠かせません。
1. RPAツール対象業務の可視化・最適化
まずはRPA導入手順として、まずは対象業務の可視化と、関連業務の最適化を行います。
「大量の単純作業」と認識していた業務が、実際にそのプロセスを確認してみると、「実はかなり複雑な業務であった」ということは、珍しくありません。
その場合、各工程の中で、どのプロセスを自動化すればいいのかを検討する必要があります。そのためにも、対象業務の可視化は不可欠です。
さらに、該当プロセスを自動化するにあたり、関連業務をどのように最適化するべきかも検討しなければなりません。一部プロセスを自動化できたとしても、それ以外の業務が煩雑化したり業務量が増えたりしてしまえば、意味がないからです。
アルティウスリンクでは、RPA導入コンサルティングとして「業務プロセス自動化アセスメント」サービスをご用意しており、自動化対象業務の可視化、およびその関連業務において、より効率的な業務フローをご提案が可能です。
2.RPAツールによる業務効率化シナリオ作成
対象業務の可視化、関連業務の最適化に合わせ、「RPAのシナリオ」も作成する必要があります。
「RPAのシナリオ」とは、 対象業務内でRPAが自動化処理する手順や段取り、ルールを可視化させたものです。RPAツールは、あくまでも「事前に設定したルール通りに自動処理」するものです。そのためその前提となるルール、シナリオが不完全だと、RPAツールを有効活用することはできないのです。
自動化処理すべき業務プロセスは、会社の業務内容によって異なります。そのため事前に対象業務の可視化を行ったうえで、会社ごと、業務ごとにオリジナルのシナリオを作成する必要があります。
3.RPAツール選定
対象業務の可視化、シナリオ作成が完了したら、導入するRPAツールの選定を行います。
自社の業務プロセスに最適なRPAツールは何かをきちんと見極めないと、効果的な業務効率化は実現できません。ただ、RPAツールは数多くあります。どのツールを導入すればいいかわからない場合は、このタイミングで無料トライアルのRPAツールを試してみるのもよいでしょう。
なお、アルティウスリンクなら、数ある業務自動化ツールの中より、定評のあるツールの最適なライセンス&プランのご提案が可能です。
4.RPAツール導入トライアル
導入ツールの選定が終わったら、導入トライアルを行います。
選んだRPAツールが本当に自社業務に最適なのか、費用対効果があるのかなど、実際に使ってみて期待通りの効果が得られるのかを確認します。
アルティウスリンクでも、国内最大規模のBPOベンダーとして培ってきた長年の業務運用ノウハウを用いて、自動化対象業務のRPA導入の費用対効果想定の支援や、導入ライセンス数算出の支援、お客様環境とRPAツールの相性の確認を行います。
5.RPAツールの導入・構築
トライアルが完了したら、いよいよRPAツールの導入です。
導入するRPAツールが個々の端末にインストールする「デスクトップ型」や、ブラウザからアクセスする「クラウド型」の場合は、大掛かりな環境構築は必要ありません。
しかし「サーバー型」のRPAツールの場合、ツールによって求められる導入環境が異なり、ツールに応じて自社サーバーの環境構築をしなければなりません。
もしRPAの環境構築に不安がある場合は、アルティウスリンクの「RPAサービス」をご検討ください。
アルティウスリンクではRPAの導入コンサルティングだけでなく、RPA環境の導入・構築も承ります。自動化対象業務に関して、その業務内容をヒアリングさせていただき、ロボットを構築いたします。
6.RPA導入後の技術サポート
RPAの導入が無事完了した場合でも、導入後の技術的なトラブルや導入後の新たな業務課題などは、どうしても発生します。そのためRPAツールの導入には、「導入後の万全な技術サポート体制」も欠かせません。
そのため、RPAツールのサービス提供会社やSIer、ITベンダーがどのような技術サポート体制を整えているのかは、導入検討時点からしっかりと確認しておきましょう。
なお、アルティウスリンクでは、お客様の運用におけるRPAの技術的な課題や問題について、当社技術者が責任をもって対応させていただきます。
7.RPAで対応できない非定型業務のアウトソーシング
特にバックオフィス業務の場合、一部業務の自動化を果たしても、その他の多くの非定型業務で、社内リソースを圧迫してしまっているケースが多々あります。
このような場合は、RPAツールと合わせバックオフィスのアウトソーシングサービスを導入するのも効果的です。
ただ、RPAサービスとアウトソーシングを異なるベンダーに依頼してしまうと、サービス形態が異なるため、ワンストップの業務設計を構築しづらい点がデメリットとして挙げられます。また無駄なコストが増えてしまう恐れもあります。
もしRPAとバックオフィスのアウトソーシングの併用をご検討の場合は、ぜひアルティウスリンクのサービスをご検討ください。
アルティウスリンクではRPAの導入コンサルティング、環境構築、技術サポートだけでなく、RPAで対応できない非定型業務を担う「バックオフィスサービス」をご用意しております。
アルティウスリンクであれば、RPAとバックオフィスサービスを組み合わせた業務設計までワンストップでご提供し、コンタクトセンター業務の効率化・自動化をサポートすることが可能です。
RPA導入で失敗しないための、アルティウスリンクのソリューション
RPAツールは、「導入すればそれで業務が効率化できる」といったような、魔法のツールではありません。
RPAツールを効果的に活用するには、対象業務の選定はもちろん、RPAツールを入れた場合の業務効率化シナリオ、トライアル、導入構築、導入後の技術サポートが不可欠です。
アルティウスリンクでは、業種ごとに異なる細かなニーズにお応えするため、まずは導入前の業務分析を実施したうえで、 RPAを有効活用するための最適化と導入サポート、導入後の技術サポートを行います。
併せて、RPAで対応できない業務のアウトソーシングサービスもご用意。お客様企業の業務効率化を実現するために、RPA導入で失敗しないための最適なソリューションをご提案いたします。
RPAツールで、ノンコア業務の効率化とコア業務の強化を実現
繰り返し処理の多い大量業務を自動化するRPAツールは、定型業務の効率化に最適なソリューションです。RPAツールを有効活用できれば、これまで多くの時間と人員を割く必要のあったノンコア業務を一気に効率化できます。
それはつまり、重要なコア業務において、より生産的・創造的な仕事に注力でき、結果として会社の主要事業を強化することにつながるのです。
アルティウスリンクでは、RPAツールによる業務改善効果が最大化できるよう、お客様企業のニーズに合わせた、きめ細かい導入・技術サポートをご用意しております。
RPAツール導入や、自動化・アウトソーシングによるノンコア業務の効率化でお悩みの方は、ぜひ一度アルティウスリンクまでご相談ください。
サービス資料や導入事例は、サービスページから無料ダウンロード可能ですので、こちらもご参照ください。
RPAサービス
サービス紹介
BPOベンダーとしての業務分析ノウハウを基に、RPAの構築・導入と合わせて、RPAを有効活用するための導入前の業務分析・最適化、導入後の技術サポート、RPAを活用したバックオフィスサービスを提供いたします。