サポートサイトのUI/UX改善が重要な理由
「サポートサイトのUI/UX」が「入電数を削減する」という課題において重要な理由は、顧客にとってサポートサイトが「最初のタッチポイント」であることが多いからです。
UIとは「ユーザーインターフェイス」の略称です。Webサイトやアプリなどに表示されるフォント・ボタン・デザインなど、ユーザーが目にし、操作する画面上のすべてのものがこれに該当します。
一方UXとは「ユーザーエクスペリエンス」の略称で、Webサイトやアプリの操作性・視認性はもちろん、ユーザーがWebサービスやアプリなどを通じ得られるデジタル体験すべてを指します。UIもUXを構成する要素の一つです。顧客にとって使いやすく・見やすく・わかりやすいサポートサイトは、自己解決を望む顧客のニーズに応え、結果として入電数削減につながるとアルティウスリンクでは考えています。
「困ったこと」があった際、多くの顧客が「サポートサイト」を確認している
アルティウスリンクで「ユーザーが不明点や困ったことがあった際の行動」を調査したところ、多くのユーザーがコンタクトセンターに問合せる前に、ネット検索やサービスサイトのサポートサイトにアクセスしていました。
つまり「困りごとがあると、ユーザーの多くはサポートサイトを利用しようとしている」ことがわかりました。
ユーザーの30%超が、有人窓口に問合せる前に「あきらめる」
さらに、利用するうえで必須ではないものの、商品やサービスについて確認したいこと・不安点があった時、ユーザーが有人窓口に問合せるか、それとも自己解決するかについても調査しました。
すると、30%を超えるユーザーが「有人窓口に問合せる前にあきらめる」と回答。多くのユーザーが、問合せも自己解決もせず、何らかの不満を抱いたまま商品やサービスを利用している実態が明らかになったのです。これでは自社商品やサービスを通じてのCX向上、ユーザーの満足度向上は期待できなくなってしまいます。
サポートサイトが最初のタッチポイントとなっていること。さらに自己解決できず、有人窓口への問合せも行わないユーザーが数多くいる現状。これらを踏まえれば、「サポートサイトの解決力の向上」が重要であることは明白です。
サポートサイトがユーザーにとって使いやすく、わかりやすいものとなれば、自己解決率が向上し問合せ件数を減らすことができ、CX(顧客体験)・CS(顧客満足度)の向上にもつなげることができるのです。
サポートサイトのUI/UXを改善するための3ポイント
▲画像出典:「The User Experience Honeycomb」 Peter Morville著より
- アクセスのしやすさ
- サイトの使いやすさ
- 目標達成のしやすさ
サポートサイトのUI/UXを改善するには、大きく「アクセスのしやすさ」「サイトの使いやすさ」「目標達成(自己解決)のしやすさ」の3つのポイントで評価・分析することが可能です。
アクセスのしやすさ:デバイスごとに最適化されたデザイン
「アクセスのしやすさ」においては、デバイスの画面サイズに最適化したデザインにすることが重要です。
PCはもちろん、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で表示した際に最適化されたデザインになっていないと、「テキストが読みづらい」「スマホ画面をピンチイン・ピンチアウトしないと問合せボタンが押せない」などのレイアウト崩れが発生し、ユーザビリティの低下を招いてしまいます。
ユーザビリティが低下すると、顧客にとってサポートサイトは使いづらいものになってしまいます。こうなると、サポートサイトを通じての自己解決は難しくなりますし、サポートサイトからすぐに離脱する(あきらめる)ことにもつながってしまいます。
デバイスの画面サイズに応じてサイズ表示を最適化するレスポンシブデザインによるページ構築を行いましょう。
使いやすさ:視覚的に見やすいデザイン
画面サイズに最適化したデザインとなっていても、それが視覚的に見やすいデザインとなっていなければ、UI/UXとして最適化されているとは言えません。
フォントサイズやフォントカラー、行間、テキスト量など、視認性を全く考慮しないサポートサイトでは、たとえよくある問合せの回答が掲載されていたとしても顧客にとっては使いづらく、かえって有人窓口への入電数が増えてしまう可能性があります。
「顧客にとって見やすいデザインになっているか」という観点から、画像やテキスト、レイアウトデザインを考えましょう。
目標達成のしやすさ:適切なナビゲーション
適切なナビゲーションを用意することも、サポートサイトにおいて重要です。
ナビゲーション機能としては、商品・サービス概要や有人窓口といった主要ページへのリンクをまとめた「グローバルナビゲーション」や、顧客が知りたいことをキーワード検索できる「サイト内検索」、関連性の高い問合せをグループ化する「グルーピング」などが代表的なものです。
こうしたナビゲーション機能を用意すると、サポートサイト内でのさまざまなアクションが最小限の負荷で行えるようになり、顧客はストレスを感じることなく自己解決を図ることができます。
サポートサイトのUI/UX改善事例
以上のことをふまえ、「サポートサイトのUI/UX改善」の事例として、実際にアルティウスリンクがお客様企業に行った施策をご紹介いたします。
改善事例①
お客様企業のサイトアクセス比率を確認したところ、モバイルアクセスが多いことが確認できたため、サポートサイトのモバイル表示のデザイン最適化を実施。
アクセス数や入電内容から顧客需要の高いコンテンツを洗い出し、ファーストビューに表示するコンテンツも修正し、施策実施6か月で一定の入電削減を実現しました。
改善事例②
サポートサイトの視認性、ナビゲーションに課題があったお客様企業において、「伝わりやすいデザイン」「適切なナビゲーションの配置」の実現に向けた改善策を実施。
デザインにおいては、ページごとの離脱率とその要因を分析し、視覚的にわかりやすいデザインに改善。またカスタマージャーニーを洗い出したうえで顧客状況に応じたカテゴリの再整理・グルーピングを実施。ページ改善後8か月で-2.5ptの入電削減効果を実現しました。
サポートサイトを改善するためのPDCA
- Plan:改善要件整理・改善案の提案
- Do:計画に沿った改善実施・A/Bテストによるパターン検証
- Check:アクセス解析や入電ログの分析による効果測定
- Action:改善効果に基づいた新たな改善策の検討
サポートサイトのUI/UXを継続して改善するには、「アクセスのしやすさ」「サイトの使いやすさ」「目標達成のしやすさ」を実現するためのPDCAサイクルを回して行くことが重要です。
まず改善要件を整理し改善案を検討(Plan)します。続いて改善案の実施(Do)ではA/Bテストでより高い成果が得られるパターンを検証。その後アクセス解析や入電ログの分析で、改善効果を測定(Check)します。そしてその結果から、さらなる改善案を検討(Action)し、次なる施策に向けたPDCAサイクルを回していきます。
PDCAサイクルを実行し、サポートサイトで「アクセスのしやすさ」「サイトの使いやすさ」「目標達成のしやすさ」を実現するには、企業内のリソースによっては難しいケースもありますが、そのような場合でも、やはりリソースに応じたPDCAサイクルを検討することが重要です。
アルティウスリンクのサポートサイトUI/UXアセスメント
「サポートサイトのUI/UXを改善したいがうまくいかない」
「社内リソースの問題で十分な分析ができない」
サポートサイトの改善でお困りの際は、ぜひアルティウスリンクのサポートサイトUI/UXアセスメントサービスをご利用ください。
国内最大規模のコンタクトセンター運用実績を誇るアルティウスリンクでは、サポートサイトのUI/UXをヒューリスティック評価や認知的ウォークスルーなどさまざまな手法を用いて評価。また、サポートサイトのアクセス解析やコンタクトリーズン分析など、ユーザー行動データを掛け合わせることで、定性・定量の双方から分析・改善を実施します。
「問合せ件数の削減」という具体的な効果を実現するため、アルティウスリンクの経験豊富なアナリストがサポートサイトとコンタクトセンターの情報を掛け合せ、約3~4週間でアセスメントから改善のご提案まで実施いたします。
サービス詳細については、以下資料DLボタンよりご確認ください。