コンタクトセンターでよく見られる課題
コンタクトセンター運営・業務改善について、アルティウスリンクには多くのお客様企業よりご相談が寄せられています。その中でよく見られる課題としては、主に以下のものが挙げられます。
- 問題や課題が可視化されておらず、改善の優先順位が不明確
- 目立つ部分の改善に着手しても、全体の最適化につながらない
- 運用が長年固定化されており、現状の運用が最適かどうかわからない
このような課題が出てくる理由としては、「コンタクトセンター全体の業務改善に向けた、最適なアプローチができていない」ことが挙げられます。
コンタクトセンターの業務改善を図るには、目についた個別課題に都度対応するのではなく、まずはセンター全体の運用品質の定量化と、問題/課題の可視化の2つが重要になるのです。
業務改善のための2つのアプローチ
- センター運用品質の定量化
- 課題の可視化とマッピング
コンタクトセンターの業務改善を図るには、まずは大枠として「センター運用品質の定量化」と、「問題/課題の可視化」という2つのアプローチが欠かせません。
センター全体の運用品質を網羅的に定量化してから、問題点・課題点を可視化・マッピングし、要素ごとに道筋を立てて業務改善を行っていくことが重要です。
センター運用品質の定量化
- 調査:センター運用を網羅的にチェック
- 評価:「仕組み」「運用」の両面で4段階スコアリング
最初に取り掛かるべきは、コンタクトセンター運用品質の定量化です。
コンタクトセンターの品質を客観的に評価するために、コンタクトセンターを網羅的に調査し、その情報を基に「仕組み」と「運用」の両面から評価しスコアリングします。
こうすることで、現時点のコンタクトセンターの弱点を把握することができます。
調査:センター運用を網羅的にチェック
まずはコンタクトセンター業務を網羅的に調査していきます。
業務プロセスからナレッジ管理、WFM(ワークフォース・マネジメント)、品質管理、KPI設定、採用、オペレーター(カスタマーサービススタッフ) 教育など、コンタクトセンター運用における要素をすべて洗い出し、そのうえで各要素をチェックしていきます。
なお、調査ではCMSなどのデジタルツールから得たデータだけでなく、現場担当者やオペレーターへのインタビューや、業務プロセスのモニタリングも行います。
評価方法
データ、インタビュー、プロセスモニタリングによる調査が終わったら、運用ルールや業務手順といった「仕組み」と、その仕組みがきちんと機能し活用されているかという「運用」の両面から、それぞれ4段階評価していきます。
「仕組み・運用」を4段階でスコアリング
4段階評価では、「十分に満たされている(3点)」「部分的に満たされている(2点)」「ほぼ満たされていない(1点)」「満たされていない(0点)」といったスコアを用意し、コンタクトセンターの要素をそれぞれスコアリングしていきます。
この際に、それぞれの要素を「仕組み」と「運用」でカテゴリ分けしてスコアリングしていくことが重要です。こうすることで、仕組みと運用、どちらに問題があるのか、それとも両方に問題があるのかなどが明確となり、次のアクションを行いやすくなるのです。
また4段階評価とすることで、評価がシンプルになり、センターの弱点も見つけやすくなります。
このようにセンター運用品質を定量化することで、コンタクトセンターが抱える現在の課題・問題点を網羅的に把握することができます。
課題の可視化とマッピング
問題点や課題が明らかになったら、今度は「課題マップ」を作成していきます。
「似ている要素」や「それぞれの因果関係」を意識して作成する課題マップを作ることで、センターの根本的な問題点/課題を特定し、改善の着手順序が明確となるのです。
コンタクトセンターの業務改善でお困りの多くの企業では、「どこから手を付ければわからない」といった声が聞かれます。これは、課題マップを作成しないまま手当たり次第に改善を図ろうとする際によく見られる問題点です。
特にコンタクトセンターの規模が大きくなればなるほど、業務プロセスや業務量、オペレーターの質、人員数など、出てくる課題も多岐にわたります。そのため課題マップを作成せずに、手あたり次第に改善しようとしても、その根本となる問題点・課題を特定することができず、抜本的な業務改善を図ることが難しくなる可能性があるのです。
課題マップの作成方法
- 問題点/課題を書き出す
- 問題点/課題を要素ごとにまとめる
- 各要素の因果関係を意識してマッピングし、根本課題を特定する
コンタクトセンターの業務改善において重要な「課題マップ」の作成方法は、大きく「問題点/課題の書き出し」「書き出した問題点/課題を要素ごとにまとめる」「各要素の因果関係を意識して並べる」の3ステップとなります。
課題マップ作成STEP 1:問題点/課題を書き出す
まずはセンター運用品質の定量化で明らかになったコンタクトセンターの問題点/課題をすべて書き出していきます。
「業務の全量が把握できていない」「各プロセスのKPIが設定されていない」「作業工数が不明確」「オペレーターのスキル」など、スコアリングで低評価となった問題点/課題をすべて書き出します。
課題マップ作成STEP 2:問題点/課題を要素ごとにまとめる
問題点/課題をすべて書き出したら、次にそれらを「教育」や「品質管理」、「センター要件」といった要素ごとに整理します。
一例として、「オペレーターの育成計画がない」「適切な教育が実施されていない」といった課題は、「教育」という要素にカテゴライズできますし、「作業工数が不明確」「業務の全量が把握できていない」といった課題は、「業務量と要員数」といった様相にカテゴライズできます。
課題マップ作成STEP 3:各要素の因果関係を意識して並べる
要素ごとに整理したら、今度は各要素の因果関係を意識して並べ替えていきます。
例えば「業務の全量が把握できていない」という課題がある場合、「作業・処理の工数が不明確」という課題が見つかれば、そこに因果関係が見いだせますし、そこから「適切な要因数が把握できていない」という課題との因果関係も見つかります。
各要素の因果関係をつないで、何が何にどう影響しているのか、根本的な課題は何かということを整理しながら、その全体像をマッピングする。課題マップの作成では、この因果関係を意識した並び替えがとても重要となるのです。
コンタクトセンター業務改善方法のまとめ
コンタクトセンターの業務改善を図るには、まずは「センター運用品質の定量化」と「問題/課題の可視化」という2つのアプローチから始めることが重要です。
そして「センター運用品質の定量化」においては、コンタクトセンター全体を網羅的に調査し、「仕組み×運用」の観点から4段階評価することで、コンタクトセンターの弱点を明確にします。
そのうえで「問題/課題の可視化」においては、「課題マップ」を作成して根本課題を特定し、さらに改善の順序付けを行い、業務改善を図っていくことになります。
アルティウスリンクの「コンタクトセンター品質アセスメント」サービス
繰り返しとなりますが、コンタクトセンターの業務改善において、「センター運用品質の定量化」と「問題点/課題の可視化」が重要となります。
しかし、「では実際に運用品質の定量化や課題の可視化を行おう」と取り組んだものの、「定量化したが、それがコンタクトセンターの実態からズレている気がする」「課題マップを作成したが、根本課題の特定がうまくできない」など、なかなかうまくいかないとお悩みの企業も少なくありません。
もしコンタクトセンターの業務改善でお困りであれば、アルティウスリンクの「コンタクトセンター品質アセスメント」サービスをご利用ください。
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